研究課題
【1】卵子内精子注入法を利用した新しい遺伝子欠損マウス維持法の開発のためにODF2 KOキメラマウスを材料にして、そのphenotypeである突起付精子がヘテロマウスに継続して維持されることを指標にして、下記の確認実験を行った。1)電顕レベルでODF2 KOキメラマウスのphenotypeである突起付精子とヘテロマウスのphenotypeである突起付精子の構造を比較したところ、突起部分の構造が同じであり、ヘテロに継続されていた。2)ヘテロマウスに関して次の点が判明した:(1)成熟精子のgenotypingにより、ODF2遺伝子が欠損した精子が確かに存在していること、(2)リアルタイムPCR法により精巣のODF2遺伝子発現量が減少していること、(3)Western blot法によりODF2タンパク質量が減少していること。(4)雄は不妊であるだけでなく、突起付精子の異常形態出現率がキメラマウス雄精子よりも多いこと。【2】精細胞レベルでhaploinsufficiencyがどのように起こるかに関して、下記の点を明らかにした。Western blotと免疫染色を行い、ODF2 KOヘテロ雄マウスの場合は精子形成段階においてhaploinsufficiencyが高率に起こっていた。このことが、成熟精子に見られるphenotypeである頭尾部離断の原因になっていると示唆された。ここまで当初の目的は達した。【3】さらにgeneticなヘテロ出現率とphenotype出現率との相関に関する拡大研究(突起付精子をBDF/F1wild卵子にICSIしてヘテロ雄/雌マウスのN数を増やすこと)を試みたが、十分量を確保するには至らなかったため継続することにした。以上の結果の有用部分について、論文を作成中である。
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