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2009 年度 実績報告書

RNA修飾の欠損と自己免疫疾患発症の分子機構

研究課題

研究課題/領域番号 20659044
研究機関宮崎大学

研究代表者

剣持 直哉  宮崎大学, フロンティア科学実験総合センター, 教授 (00133124)

キーワードRNA修飾 / リボソームRNA / snoRNA / 自己免疫疾患 / 翻訳調節 / ゼプラフィッシュ / 人工抗体ライブラリ / RNA抗体
研究概要

タンパク質をコードしていないRNA (ncRNA)が多数発見され、生体システムにおける重要性が明らかになりつつある。一方、これらのRNAは通常種々の修飾を受けているが、その意義は全く不明である。RNA修飾と自己免疫疾患との関連を明らかにするために、本年度は、SLE患者で自己抗原となるrRNAに対する人工抗体の作製を行うとともに、ゼブラフィッシュにおいてRNA修飾に働く核小体の低分子RNA(snoRNA)の機能を阻害し、生体におけるRNA修飾の役割を検討した。
1. 人工抗体ライブラリーを用いた抗RNA抗体の作製
ファージディスプレイ型の人工抗体ライブラリーから、28SrRNAの自己抗体結合部位を認識する抗体クローンを8種類単離した。得られた人工抗体のrRNAに対する特異性はELISA法にて確認した。抗体クローンの塩基配列を決定しデータベースを解析した結果、新規の抗体であることが明らかになった。
2. ゼブラフィッシュにおけるsnoRNAの機能阻害とRNA修飾
snoRNAは通常イントロンにコードされている。そこで、U22、U26、U44、U78の各snoRNAについて、ゼブラフィッシュにおいてこれらsnoRNAがコードされているイントロンのスプライシングを阻害した。その結果、ゼブラフィッシュ胚に共通した表現型として、発育遅滞、頭部の形成不全、色素沈着の遅れなどが観察された。また、いずれも約1週間で致死となった。一方、U26のノックダウン胚から抽出したrRNAを用いて修飾の状態を質量分析計で調べたところ、U26が標的とする部位の修飾が低減していた。これらの結果より、ゼブラフィッシュの初期発生においてRNA修飾が重要な役割を果たしていることが初めて明らかになった。

  • 研究成果

    (7件)

すべて 2010 2009

すべて 雑誌論文 (2件) 学会発表 (5件)

  • [雑誌論文] ゼブラフィッシュにおけるRNA修飾の機能解析2009

    • 著者名/発表者名
      比嘉三代美
    • 雑誌名

      蛋白質核酸酵素:mRNAプログラム 54(16)

      ページ: 2092-2097

  • [雑誌論文] リボソーム病:翻訳装置のシステム障害2009

    • 著者名/発表者名
      上地珠代
    • 雑誌名

      遺伝子医学MOOK:最新RNAと疾患研究 15

      ページ: 79-84

  • [学会発表] リボソームの異常と疾患:ゼブラフィッシュを用いた解析2010

    • 著者名/発表者名
      剣持直哉
    • 学会等名
      日本農芸化学会2010大会
    • 発表場所
      東京
    • 年月日
      2010-03-27
  • [学会発表] snoRNAの機能阻害によるリボソームRNA修飾の機能解析2009

    • 著者名/発表者名
      比嘉三代美
    • 学会等名
      第32回日本分子生物学会年会
    • 発表場所
      横浜
    • 年月日
      2009-12-09
  • [学会発表] イントロンと共進化するsnoRNAの遺伝子構成2009

    • 著者名/発表者名
      吉浜麻生
    • 学会等名
      第11回日本進化学会大会札幌
    • 発表場所
      札幌
    • 年月日
      2009-09-02
  • [学会発表] Functional analysis of rRNA modification enzyme dyskerin in zebrafish : A vertebrate model for Dyskeratosis Congenita2009

    • 著者名/発表者名
      Naoko Hirano
    • 学会等名
      Ribosome Synthesis Regensburg
    • 発表場所
      Germany
    • 年月日
      2009-08-26
  • [学会発表] RNA修飾酵素の機能解析:ゼブラフィッシュを用いた疾患モデルの作製2009

    • 著者名/発表者名
      比嘉三代美
    • 学会等名
      第11回日本RNA学会年会
    • 発表場所
      新潟
    • 年月日
      2009-07-27

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公開日: 2011-06-16   更新日: 2016-04-21  

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