研究課題
萌芽研究
SIK2のグルタチオン依存的活性調節領域を同定これまでに、SIK1とSIK2の相同性や多様性を指標にシグナル伝達に重要な修飾部位の同定を行って来た。グルタチオンによる活性化もSIK1とSIK2で同様に観察される現象である。すなわち、グルタチオンに影響されるアミノ酸残基も両者で保存されているものと予想される。また、その残基はCysと予想される。そこで、以下の方法でグルタチオン応答性Cys残基を決定した。A,SIK1とSIK2のキナーゼドメインに保存されているCysをSIK2に着目し、AlaとSerへ置換した。その結果、共通するCsyは酵素活性に必要であることが示唆された。B,変異体を発現精製し、グルタチオン、アセチルシステイン、DTT、アスコルビン酸への応答性を検討し、グルタチオン特異的な応答アミノ酸を同定した。結果、当該Cysがグルタチオン依存的な酵素活性亢進に関与していることが示唆された。C,同定された変異体をアデノウイルスベクターを介して脂肪細胞へ導入し、グルタチオン制御不全SIK2によるFOXO1の発現への影響を検討した。結果、変異体そのものはFOXO1の発現には関与しないものの、SIK2はFOXO1の発現を誘導した。現在、脂肪細胞の分化への影響や、レプチンシグナルとの接点を検討している。また、派生効果としてSIK2-KOマウスの摂食行動異常が検出できた。これもレプチンシグナルに関係するものと考えられる。レプチンシグナル異常は過食を引き起こすが、過食による肥満は活性酸素を増加させる。酸化ストレスによるSIK2シグナル(活性)減少はFOXO1を誘導し、そのFOXO1誘導が酸化ストレス耐性を獲得する過程である可能性が示唆された。
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