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2008 年度 実績報告書

日本におけるスペインインフルエンザ(1918-1920年)の疫学的解析

研究課題

研究課題/領域番号 20659078
研究種目

萌芽研究

研究機関東北大学

研究代表者

押谷 仁  東北大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (80419994)

研究分担者 神垣 太郎  東北大学, 大学院・医学系研究科, 助教 (80451524)
鈴木 陽  東北大学, 大学院・医学系研究科, 助教 (20443989)
キーワード感染症 / 公衆衛生 / ウイルス
研究概要

インフルエンザは突然別の亜型である新型インフルエンザが出現してそれまで流行していた亜型に取って代わることがあり、これをインフルエンザパンデミックという。過去100年間に発生した3回のパンデミックは、1918年から1920年に起こったスペインインフルエンザ、1957-58年に発生したアジアインフルエンザと1968-69年に発生した香港インフルエンザがある。このうち最も深刻な被害をもたらしたのはスペインインフルエンザであり、日本でも40万人近くの死者を出したとされているがいくつかの地域で報告されておらず不明であったために、当時の人口動態統計を利用してSerfling法によるインフルエンザ関連死における超過死亡数を算出したところ41万3000人(95%信頼区間76,717-480,357)であった。さらに東北大学図書館に現存する関連する資料を「流行性感冒」、「パンデミー」などのキーワードから検索を行い、データベースを作成した。特にスペインインフルエンザ流行時のシベリアに出征した兵士における病理学的検討および当時の病理学的な検討の総説においても所見として病期により違いがあるとしており非常に臨床経過の早いものは出血性気管支肺炎、発病後7日ないし14日を経過したものでは融合性カタル性肺炎が、20日経過したものでは化膿性気管支肺炎および間質性気管支肺炎が観察されたと報告している。2つの剖検群(8例と34例)での死亡経過をみても明らかな偏りは見られないことから、その肺炎像は多彩であったことが示唆される。本データベースは来年度に公開に向けて整理を引き続き行う予定である。また公衆衛生対応の比較としてアジアインフルエンザ時における小学校および中学校閉鎖の効果を死亡数に対する影響により検討を行ったが明らかな効果は見られなかった。学校閉鎖の有効性は疫学モデルなどで指摘されているが、その開始時期については更なる検討が必要であると考えられた。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2009 2008

すべて 雑誌論文 (5件) (うち査読あり 1件)

  • [雑誌論文] 【神経系の再興感染症と輸入感染症】新型インフルエンザと脳炎・脳症2009

    • 著者名/発表者名
      玉記雷太, 神垣太郎, 押谷仁
    • 雑誌名

      BRAIN and NERVE 61

      ページ: 153-160

  • [雑誌論文] Major Issues and Challenges of Influenza Pandemic Preparedness in Developing Countries2008

    • 著者名/発表者名
      Hitoshi Oshitani, Taro Kamigaki and Akira Suzuki
    • 雑誌名

      Emerging Infectious Diseases 14

      ページ: 875-880

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 【新型インフルエンザと季節性インフルエンザ】新型インフルエンザ新型インフルエンザは防げるか?2008

    • 著者名/発表者名
      玉記雷太, 神垣太郎, 押谷仁
    • 雑誌名

      臨牀と研究 38

      ページ: 1229-1236

  • [雑誌論文] 【"感染症"と医療機関】新型インフルエンザにどう対応するか2008

    • 著者名/発表者名
      玉記雷太, 神垣太郎, 押谷仁, 古瀬祐気
    • 雑誌名

      保険診療 63

      ページ: 15-21

  • [雑誌論文] 新型インフルエンザに対する公衆衛生上の対策2008

    • 著者名/発表者名
      玉記雷太, 神垣太郎, 押谷仁
    • 雑誌名

      インフルエンザ 9

      ページ: 299-305

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公開日: 2010-06-11   更新日: 2016-04-21  

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