本年度は、関連資料を継続して収集し、第1回面接調査の結果分析と第2回面接調査の準備作業を行った。 1.資料の収集 (1)国立国会図書館などを利用し、国内の論文などの関連資料を継続して収集した。 (2)国内外のデータベースに接続し、海外の論文、調査報告書など関連資料を継続して収集した。 2.第1回面接調査結果の分析 (1)前年度実施した研修医24名を対象に行った1回目の面接調査データの逐語記録を整理し、テキストデータ分析ソフトを用いた分析を行った。 (2)分析結果:主題分析の結果、父、両親、親戚などの継承性に関するまとまりと勉強、受験、浪人などの医学部入学時の困難さに関するまとまりが抽出された。医学部に合格することの困難さを入職の障壁と意識していること、親や身内が医師の場合に職業の継承が職業選択の主要なきっかけとなっていることが明らかになった。 (3)さらなる分析を継続中であり、第2回面接の結果とあわせた主題分析を来年度に実施予定である。 3.医師という職業における専門性の概念整理 (1)先行研究において専門性を特徴づける概念として明らかになっている「排他主義」「自律性」「技術習得」「資格による権威付け」「仕事仲間との連携」の5要因を検討し、医師という職業を考慮した専門性の概念を検討した。 4.第2回面接調査の準備 (1)第1回面接調査の結果および収集した資料をもとに第2回面接に使用する面接シートを作成した。臨床研修のカリキュラムを考慮し、研修期間を通じて進路決定プロセスを検討するための面接シートを試作した。 (2)試作した面接シートを使用し、来年度に前期臨床研修修了時点での面接調査を実施予定である。
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