研究課題/領域番号 |
20659090
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研究機関 | 三重大学 |
研究代表者 |
登 勉 三重大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (60106995)
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研究分担者 |
奥田 真弘 三重大学, 医学部附属病院, 教授 (70252426)
熊本 忠史 三重大学, 大学院・医学系研究科, 助教 (50362348)
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キーワード | 血清ホモシステイン / MTHFR遺伝子 / MTX / 関節リウマチ / ロイコボリン |
研究概要 |
代謝拮抗剤Methotrexate(MTX)は癌治療のみでなく関節リウマチ治療薬としても使用されている。MTX投与スケジュール依存性に様々な副作用が発生することが予想され、少量投与であっても長期間の使用では重篤な副作用が報告されている。本研究は、血中ホモシステイン濃度がロイコボリン投与スケジュールの個別化のためのマーカーになるかどうかの検証を目的とする。 葉酸代謝に関連するmethylene tetrahydrofolate reductase(MTHFR)には遺伝子多型が報告されているが、そのうち2つの遺伝子多型(MTHFR C677T,A1298C)と血清総ホモシステイン濃度(Hcy)との関連について検討した。インフォームドコンセントの得られた451例(男性245例、女性206例)を対象とする遺伝子多型解析では、C677T多型:C/C199例(44.1%)、C/T201例(44.6%)、T/T51例(11.3%)であり、A1298C:A/A275例(61%)、A/C157例(34.8%)、C/C19例(4.2%)であった。Hcyには男女差があり、男性で有意に高かった。MTHFR遺伝子多型677T/1298Aをホモ接合性に有する男性32例では、他の遺伝子多型を有する場合に比べてHcyは有意に高かった。同様の傾向は女性でも観察された。 これらの結果は、血清総ホモシステインをロイコボリン個別化投与スケジュールのマーカーにする場合、予めMTHFR遺伝子多型を調べることが重要であることを示唆している。今後、臨床サンプルの検討の際に参考にすべき点である。
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