研究課題/領域番号 |
20659100
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
森 誠司 大阪大学, 医学系研究科, 特任助教(常勤) (90467506)
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研究分担者 |
松浦 成昭 大阪大学, 医学系研究科, 教授 (70190402)
河口 直正 大阪大学, 医学系研究科, 助教 (70224748)
檜枝 美紀 大阪大学, 医学系研究科, 特任助教(常勤) (00380254)
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キーワード | 乳癌 / 分子マーカー / 乳頭分泌液 / ヒストン / 検診 |
研究概要 |
本研究は乳管内に存在する少量の分泌液(Nipple Aspiration Fluid、NAF)を対象にして、プロテオミクスの技術を用いて、早期乳癌の検出に有用な分子マーカーを検索し、最終的に新しい検診方法を開発することを目的とするものである。本研究で最大の難点はサンプル採取の方法であり、昨年行った検討により、採取を進めているが、プロテオミクスによる解析をするのに十分量を採取することが困難なことが多い。乳癌息者からは数10μl採取可能であるが、コントロールとすべき正常患者(非乳癌息者)からの採取が少量となっている。本点についてはさらに工夫をこらす必要がある。NAFの採取と平行して、乳癌組織、細胞を用いた実験により、乳癌の早期診断に有用なマーカーの検討も行っており、上皮増殖因子(EGF)ファミリーの1つであるアンフィレグリンに関してさらに詳細な検討を行った。アンフィレグリンを乳癌細胞に高発現させると細胞運動能、浸潤能の亢進が見られるが、そのメカニズムとして細胞膜分子であるアンフィレグリンの細胞膜貫通ドメインが核膜に移行し、ヒストンメチル化を引き起こすことが明らかになった。そこで乳癌細胞への遺伝子導入によりヒストンメチル化酵素の発現を亢進させると運動能上昇が見られ、ヒストンメチル化の阻害薬によりメチル化状態を下げると運動能の低下が認められた。ヌードマウスにおける腫瘍形成実験ではヒストンメチル化を亢進させた乳癌細胞で著明な増殖が見られた。ヒストンメチル化がNAFにおけるターゲット分子の1つになる可能性が考えられた。
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