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2008 年度 実績報告書

中枢性迷走神経刺激による肝臓で発現する遺伝子発現変化の網羅的解析

研究課題

研究課題/領域番号 20659113
研究種目

萌芽研究

研究機関旭川医科大学

研究代表者

奥村 利勝  旭川医科大学, 医学部, 教授 (60281903)

研究分担者 高橋 伸彦  旭川医科大学, 医学部, 助教 (20372279)
キーワードマイクロアレイ / 肝臓 / 中枢神経 / TRH / 迷走神経 / 細胞増殖
研究概要

中枢神経系は主に迷走神経などの自律神経を介して消化器生理機能の調節に関与する。しかし実際に肝臓で起きている遺伝子発現変化については全く未解明である。以上を踏まえ、今回我々は、中枢性迷走神経刺激により肝細胞に発現する遺伝子発現変化を網羅的に解析し、このデーターベースを構築することを目的にした。今回は、中枢性に迷走神経系を刺激することにより生じる肝細胞増殖刺激の分子メカニズムを解明するため、TRHをラット脳室内に投与し、肝臓に発現する遺伝子を網羅的に解析した。実験には6週齢のSDラットを24時間絶食させて用いた。TRH(2μg/10μl)またはコントロールの生食10μlを脳室内に投与し、3時間後に肝臓を取りだし、肝組織の一部を後のmicmarrayによる遺伝子発現の検討に用いた。網羅的遺伝子発現解析は、GeneChip(Rat Genome 230 3.0, Kurabo)を用いて行った。全部で20,000以上の遺伝子発現の情報を得たが、今回は細胞増殖に密接に関与するCyclin, Cyclin-dependent kinase (CDK), Cyclin-dependent kinase inhibitor (CDKI)に注目した。コントールに対するTRH投与群の遺伝子変化を2倍以上を増加、1/2以下を減少とした。注目した37遺伝子の中で34遺伝子に遺伝子発現変化は認めなかった。増加したのは1遺伝子で減少は2遺伝子だった。変化を認めた遺伝子の中ではCDKI 2A (p16)がTRHにより遺伝子発現が約1/6に減少し、検討した遺伝子の中で最も変化の大きいものであった。CDKIは細胞増殖の負の調節因子であり、DNA合成を抑制して細胞周期を停滞させることを考慮すると、CDKIの発現低下は細胞増殖促進的に作用する。従って、中枢性TRHによる迷走神経刺激による肝細胞増殖促進メカニズムにCDKI 2A (p16)のdown-regulationが関与する可能性があると考えた。今後更に、糖脂質代謝関連遺伝子の遺伝子発現変化の網羅的解析を行う。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2008

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件)

  • [雑誌論文] Role of orexin in central regulation of gastrointestinal functions2008

    • 著者名/発表者名
      Okumura T, Takakusaki K
    • 雑誌名

      J Gastroenterol 43

      ページ: 652-660

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Natural History of Branch Duct Intraductal Papillary-Mucinous Neoplasms of the Pancreas without Mural Nodules : Long-term Follow-uu Results2008

    • 著者名/発表者名
      Tanno S, Okumura T
    • 雑誌名

      Gut 57

      ページ: 339-343

    • 査読あり

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公開日: 2010-06-11   更新日: 2016-04-21  

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