研究概要 |
繊維化・硬化病変を伴う"IgG4関連疾患“と診断された症例の肺病変臨床像の検討およびIgG4関連肺疾患が存在するか明らかにするために呼吸器疾患および膠原病にて入院した患者におけるlgG4を網羅的に計測した。 後腹膜線維症などを合併するIgG4関連リンパ増殖性多臓器疾患の約60%に肺病変が認められた。その病変は器質化肺炎様(OP)の陰影、結節影、気道病変が主であった。OP様陰影はステロイドに反応した。 呼吸器疾患における網羅的IgG4測定では呼吸器疾患入院患者(n=172)の4.6%,膠原病患者の8.5%にIgG4高値を認めた。間質肺炎患者では12%に,その増悪患者では40%にIgG4高値を認めた。また、非悪性胸水患者の28%にIgG4高値を認めた。膠原病患者でIgG4高値の患者の半数が胸膜炎を認めた。 従来の繊維化・硬化病変を伴う"IgG4関連疾患“では高率に肺病変を伴うことが明らかにされた。それ以外にも、間質性肺炎の一部、胸膜炎の一部にIgG4高値を示す一群が存在することが明らかになった。 以上よりIgG4高値と特徴的臨床像を示す一群が存在し、"IgG4関連肺疾患“の存在が示唆された。
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