研究課題/領域番号 |
20659133
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研究種目 |
萌芽研究
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研究機関 | 東海大学 |
研究代表者 |
桑平 一郎 東海大学, 医学部, 教授 (60186567)
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研究分担者 |
清水 美衣 東海大学, 医学部, 助教 (20398746)
岩崎 正之 東海大学, 医学部, 准教授 (90223388)
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キーワード | 睡眠時無呼吸 / 血小板 / 心血管事故 / CPAP療法 / 低酸素血症 / 高炭酸ガス血症 |
研究概要 |
閉塞性睡眠時無呼吸症候群OSASでは、脳梗塞や心筋梗塞など心血管事故のリスクが高い。発症因子として肥満、高血圧、高脂血症などに加え、血小板、凝固機序活性化が重要であり、予防には血小板機能測定が必須となる。我々は既にHematology Analyzerを用い、迅速かつ簡便に血小板自然凝集塊を検出する方法を開発、報告したが(J Thromb Haemost4: 920-922,2006)、本年度はCPAP施行中のOSAS患者の血小板機能を測定し、CPAP施行中であるにも拘わらず血小板自然凝集塊が検出される頻度を検討した。研究対象はOSAS患者40名(男性)で、平均年齢53±2(SE)歳、CPAP開始前のAHI43±3である。患者よりクエン酸全血5mLを採血し、Hematology AnalyzerであるCELL-DYN 4000およびサファイア(アボット社)にて凝集塊の有無を解析した。今回は自然凝集塊を4例に検出した。これらは動脈血栓症のリスクが高いと思われ、CPAPに加え抗血小板薬を要すると判断された。本研究結果は、CPAP施行中でも約10%の患者に自然凝集塊が検出されることを意味する。本研究から、CPAP施行中でも動脈血栓症のリスクが高い症例を早期発見する重要性が明確となり、成果の意義は大きい。この成績を2009年6月の日本呼吸器学会総会で報告する予定である。 これに加え、睡眠時無呼吸でみられる間歇的低酸素血症および間歇的低酸素・高炭酸ガス血症の呼吸循環動態に及ぼす影響を、動物モデル(ラット)にて検討した成績をまとめ、2008年8月にInternational Society on Oxygen Transport to Tissue Meetingで発表した。この動物モデルを用いた基礎的研究は、今年度2つの原著論文となり現在印刷中である。
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