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2010 年度 実績報告書

ペルフルオロブタン微小気泡を用いた腎内血流分布の解析

研究課題

研究課題/領域番号 20659137
研究機関兵庫医科大学

研究代表者

中西 健  兵庫医科大学, 医学部, 教授 (70217769)

研究分担者 小瀧 慶長  兵庫医科大学, 医学部, 講師 (40388814)
キーワードソナゾイド / 超音波造影剤 / 腎機能障害
研究概要

最近新たに発売されたperflubutane microbubbleを用いたソナゾイドはより少量の投与で優れた造影効果を持ち、肝臓領域では悪性腫瘍の検出に優れた診断能を有している。
この超音波造影剤と超音波ビームの間歇的な送信であるflash echo imagingを用いることによって実質臓器の血流状態を動脈相のみならず、実質への血流分布として非侵襲的にreal timeで観察することが可能となった。
これらの背景を踏まえて、健康成人および腎疾患患者における腎実質内の血流分布の状態を観察し解析を行った。健常成人22人及び腎機能障害患者18名にソナゾイドを投与しながらflash echo imaging法を用いて腎実質内の血流分布状態を観察した。この画像の経時的変化を動画でコンピューターに保存し、画像解析ソフトWinRoofを用いて皮質・髄質それぞれに関心領域を設定することによって、造影剤が作り出す気泡の減衰曲線を求めた。このことによって皮質・髄質それぞれの血流分布を比較検討し腎皮質・髄質に関心領域を設定したTime-intensity-curveを作成・解析した。
結果はソナゾイドの皮質および髄質への平均到達時間および最高輝度到達時間は腎機能障害患者で有意に遅延していた。症例数を増やしてもこの結果は同様であった。また、皮質到達時間/髄質到達時間比も腎機能障害患者で有意に高値であった。ただし、皮質・髄質造影開始時間差と尿蛋白をはじめとする各種パラメーターとの相関は認められなかった。また昨年度までの結果と同様に腎梗塞症例では梗塞巣に一致した血流低下が明らかになり、今後一般的な造影剤を使用せずとも超音波造影剤ソナゾイドはリアルタイムに皮質・髄質の血流評価に有用である可能性が示唆された。さらに昨年度は各種炎症性サイトカインや細胞レベルの鉄パラメーターと最高輝度到達時間、皮質到達時間/髄質到達時間比などとの関連性についても検討したが、有意な関連性は認められなかった。今後さらなる症例の集積が必要である。

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公開日: 2012-07-19  

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