筋原線維性ミオパチー(MFM)は、筋原線維配列の強い乱れを主病変とする筋疾患群で、Z線関連タンパク質の異常によることが示唆されているが、その約80%は原因不明である。我々はこれまでにMFM原因候補遺伝子をスクリーニングし、複数の遺伝子で患者特異的変異を見いだしている(1)。 本研究では、メダカをモデル生物として活用することを念頭に、まず、その飼育環境の整備をおこなった。メダカを扱うのは初めてであることから、当初、水質の安定するまでに約3ヶ月を要したが、現在は飼育環境が整い、順調に育成している。また採卵、孵化、生育に至る経過を観察し、受精卵への遺伝子導入へむけたトレーニングも行った。 また正常メダカについて、筋組織凍結標本を作製し、20種類の一般染色、各種免疫染色を行うことにより、哺乳類と異なるメダカ骨格筋の特徴を明らかにした。また電顕的観察も行い、Z線を含むサルコメア構造が非常に詳細に観察できることを確認した。 今後、変異導入帯を作製し、病理変化を観察することによってMFMの病態解明を進めていく予定である。
|