研究概要 |
先ず膵島ESTを探索ソースとし、相当するヒト4,481遺伝子、ラット3,403遺伝子を対象とした。EST配列をそれぞれの生物種のゲノムに対して相同性検索し、相同率90%以上である配列のゲノム上の位置を特定する。平行して視床下部ESTについても同様の作業を行う予定である。5'側のゲノム位置から転写方向の上流2 kbを含む配列を取得した。5 base毎に設定した110 base連続配列に対して二次構造解析を行ない、最も自由エネルギーの低い配列を選択する。以下の3つの条件をもってmiRNAと判断した。1)hairpin構造をとること、2)16 base以上の塩基対をつくること、3)大きなインターナルループやバルジがないことの3条件である。 検出作業の結果、既知のmiRNAについてヒト474種類、ラット234種類を獲得した。次いで予測miRNAとして、ヒト743種類、ラット236種類の候補を獲得した。この内、当該年度ではヒト15種類とラット1種類について確認作業を行った。新たな候補の選別と共に、これらのマイクロ分子によるインスリン分泌の制御効果の解析に着手した。 Copy number variant(CNV)については、先ず、単一遺伝子異常のMODYについて探索を行った。MODY5遺伝子であるhepatocyte nuclear factor-lbeta遺伝子において1家計でアリル欠失を見いだした。現在欠失部分の確定作業と当該領域におけるmiRNAの有無についての検討を行っている。
|