研究課題
R-spondinl(R-Spol)の作用機序についてさらなる検討を加えた。WntシグナルはT細胞の機能分化に関連していることが報告されており、Wntシグナル活性化作用を有するR-SpolのT細胞機能分化に及ぼす影響を検討した。まずin vitroでT細胞をCD3/CD28で刺激培養する際に各種濃度のR-Spolを添加し、T細胞増殖とCD62L,CD44発現に対する影響を検討したが、変化を認めなかった。次にin vivoで同種骨髄移植後のアロ応答性T細胞のeffector/memory T細胞分化へのR-Spolの影響を検討したが変化を認めなかった。Foxp3陽性制御性T細胞数にも変化は見られなかった。これらの結果からR-Spolの全身性GVHD抑制効果はT細胞に対する直接的な影響ではなく、前年度までに明らかになった腸管傷害を軽減することにより間接的にもたらされたと考えられた。これを証明するために、移植前処置を実施せずに、MHC不適合のB6ドナーからB6D2F1レシピエントへの骨髄移植モデルにおいて移植day-3からday-1.day1からday3までR-spondinl 200μgを静脈内投与した.移植後のGVHDの重症度と生存率を観察したところ,R-spol投与によるGVHD抑制効果はみられなかった。以上の結果から,R-spolは移植前処置から腸管を保護し,その後のGVHDを軽減する可能性が示唆された.
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