研究課題/領域番号 |
20659173
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研究機関 | 山梨大学 |
研究代表者 |
島田 眞路 山梨大学, 大学院・医学工学総合研究部, 教授 (10114505)
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研究分担者 |
川村 龍吉 山梨大学, 医学部附属病院, 講師 (70262657)
原田 和俊 山梨大学, 医学部附属病院, 講師 (20324197)
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キーワード | 腸性肢端皮膚炎 / ランゲルハンス細胞 / 接触皮膚炎 / 亜鉛欠乏 |
研究概要 |
最近我々は、腸性肢端皮膚炎(Acrodermatitis Enteropatica)患者の皮膚において、ランゲルハンス細胞(LC)が消失している」という知見を得た。そこで、亜鉛欠乏マウス(ZDマウス)について検討したところ下記の実験結果を得た。 1コントロール群では表皮内にLCが多数認められたが、ZDマウス表皮内ではLCが著明に減少していた(フローサイトメトリーおよび蛍光顕微鏡)。また、脾臓ではCD11c陽性の樹状細胞数に変化はなかった。さらに、ZDマウスの表皮内thy-1陽性樹状表皮内T細胞数もコントロール群と比べて有意な減少は認められなかった。 2リンパ節には多数のCD11c+,Ia+細胞が観察されたが、ZDマウスではコントロール群と比べて有意にな差は認められなかった(フローサイトメトリー)。 3接触皮膚炎モデルにおいて、ZDマウスではクロトンオイルに対する刺激性接触皮膚炎が増強していたが、アレルギー性接触皮膚炎は減少していた。 4ZDマウス皮膚の刺激性接触皮膚炎におけるケモカイン産生パターンは正常マウスに比べて、全く異なっていた(マイクロアレイ)。 これらの知見より、腸性肢端皮膚炎は亜鉛欠乏患者における刺激性接触皮膚炎であると考えられた。また、この異常な刺激性接触皮膚炎は皮膚におけるケモカイン産生異常に基づくものであると推測された。
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