研究概要 |
毛周期におけるNF-κBの活性化 マウスを用いて、まず毛周期を解析した。4-6週齢のC57BL6マウスの背部の体毛をWax(松ヤニ)を用いて抜毛し、毛周期を成長期に同調させた。抜毛後、1,2,3,4週間後に背部皮膚を回収し、長軸方向の毛に沿った病理組織標本(HE)を作成した。病理組織学的に、毛周期が成長期、退縮期、休止期に同調することを確認した。さらに、角化細胞特異的にNF-κBの活性化が低下するTAKI-CKOマウスを用いて、同様の毛周期同調の実験を行った。その結果、Waxによる毛周期同調と、NF-κBの活性化低下を同時に行うと、成長期の開始が遅延し、成長期の維持が困難となり、さらに退縮期に移行することを見いだした。さらに、Waxによる毛周期同調後にNF-κBの活性化を低下させると、成長期の毛包が早期の退縮期に入ることが明らかとなった。 臨床研究計画 下記の内容の臨床研究を計画し、臨床倫理委員会で承認を受け、臨床研究を開始した。結果は来年度集計する予定である。 対象:成人の難治性の円形脱毛症患者 用法・用量:超微粒子β-グルカン(15mg/100ml)を毎日、3ヶ月間摂取(投与期間・用量は平成17年に愛媛大学医学部皮膚科にて行ったアトピー性生皮膚炎に対する臨床研究に準じて設定)。 併用禁止薬・併用禁止療法:円形脱毛症に有効であるとされる薬剤・療法(SADBE/DPC、ステロイド、免疫抑制剤、紫外線療法など)。 評価:写真撮影、"Severity of Alopecia Tool"(SALT)scre(来院日毎)
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