• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2009 年度 実績報告書

かゆみ過敏に関わるセマフォリン3a産生の表皮と真皮での相反性

研究課題

研究課題/領域番号 20659176
研究機関産業医科大学

研究代表者

戸倉 新樹  産業医科大学, 医学部, 教授 (00172156)

研究分担者 小林 美和  産業医科大学, 医学部, 講師 (00341503)
キーワードかゆみ / セマフォリン / 角化細胞 / 知覚神経 / C繊維 / 神経反発因子 / カルシウム / 表皮
研究概要

知覚神経とくにC線維はかゆみに関わる神経線維であり、その伸長は神経成長因子により正に制御され、神経反撥因子により負に制御されている。C線維の表皮内伸長はかゆみ過敏に関わることが知られている。神経反撥因子の中で最も重要な因子の一つにセマフォリン3Aがある。正常表皮ケラチノサイトと正常真皮線維芽細胞のセマフォリン3A発現についてreal-time PCRで検討した。ケラチノサイトと線維芽細胞をそれぞれ培養した。ケラチノサイトではカルシウム濃度を増殖に適した低濃度から分化に適した高濃度まで変えたところ、セマフォリン3Aの発現は高カルシウム濃度で増強し、低カルシウム濃度では低下した。同時に検討した神経成長因子であるnerve growth factor(NGF)の発現は、カルシウム濃度によって変化せず、C線維の表皮内伸長は神経反撥因子によって制御されていることが明らかとなった。加えて、正常状態では表皮外層にいくに従いC線維の表皮内神経伸長が抑制されることが示唆された。一方、線維芽細胞にアレルギー性炎症やかゆみに重要な働きをするヒスタミンを添加したところ、セマフォリン3Aの発現は低下した。肥満細胞からヒスタミンが多量に放出された微小環境では、線維芽細胞のセマフォリン3A発現が低下し、真皮での自由な神経伸長が促されることが推測された。さらにヒトの皮膚組織においてセマフォリン3A免疫組織学的染色を行い、表皮、毛包において有棘層上部にセマフォリン3Aが発現していることを確認した。セマフォリン3Aは神経の伸長を抑えることにより、C線維の真皮と表皮での伸長を制御していることが示唆された。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2010 2009

すべて 雑誌論文 (4件) (うち査読あり 4件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] Comparison of skin barrier function and sensory nerve electric current perception threshold between IgE-high extrinsic and IgE-normal intrinsic types of atopic dermatitis.2010

    • 著者名/発表者名
      Mori T
    • 雑誌名

      Br J Dermatol 162

      ページ: 83-90

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Involvement of Wnt signaling in dermal fibroblasts.2010

    • 著者名/発表者名
      Kabashima K
    • 雑誌名

      Am J Pathol 176

      ページ: 721-732

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Expression of toll-like receptor 2, NOD2 and dectin-1 and stimulatory effects of their ligands and histamine in normal human keratinocytes.2009

    • 著者名/発表者名
      Kobayashi M
    • 雑誌名

      Br J Dermatol 160

      ページ: 297-304

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Induction of eosinophil-and Th2-attracting epidermal chemokines and cutaneous late-phase reaction in tape-stripped skin.2009

    • 著者名/発表者名
      Onoue A
    • 雑誌名

      Exp Dermatol 18

      ページ: 1036-1043

    • 査読あり
  • [学会発表] Topical cholecystokinin depresses itch-associated scratch behavior in mice.2009

    • 著者名/発表者名
      Fukamachi S
    • 学会等名
      5th International Workshop for the Study of Itch
    • 発表場所
      Tokyo (Chinzan-so)
    • 年月日
      2009-10-26

URL: 

公開日: 2011-06-16   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi