研究分担者 |
岩田 泰秀 浜松医科大学, 医学部附属病院, 講師 (10285025)
松崎 秀夫 大阪大学, 医学系研究科, 特任准教授(常勤) (00334970)
須田 史朗 浜松医科大学, 子どものこころの発達研究センター, 特任助教 (40432207)
和久田 智靖 浜松医科大学, 医学部附属病院, 助教 (80444355)
山本 茂幸 浜松医科大学, 子どものこころの発達研究センター, 特任助教 (10382201)
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研究概要 |
統合失調症では,微小循環系に異常が生じている可能性がある(統合失調症の微小循環異常仮説)。一方,近年,血管新生のメカニズム解明が進み,心臓や脳の虚血病変に新たな血管を形成し,機能回復を図る試みが始まっている。特に注目されているのは,ヒトCD34(+)血液幹細胞(以下CD34陽性細胞と称する)による毛細血管網の形成である。 本研究では,我々の開発したX線照射モデルを統合失調症モデルとして用いた。成熟SD系雄性ラットの側脳室と海馬歯状回を含む領域に15GyのX線を分割照射し,これをモデル群とした。理研バイオリソースセンターより購入したCD34陽性細胞を用いた。麻酔下で右外頚動脈内にポリエチレン・カテーテル先端を内頚動脈分岐部に置き、1.6Mマンニトール液(10ml/kg)を注入。右半球のBBB透過性を亢進させた5分後にCD34陽性細胞(2×105または1×106/200μl)をハミルトン・マイクロシリンジで大腿静脈内から注入。細胞投与から1周間後に,4%パラホルムアルデヒド液で灌流固定し,脳冠状断凍結切片を作成。以下の一次抗体を用いて免疫染色を行った:(1)抗ヒトCD34モノクローナル抗体(CD34陽性細胞の指標)(2)抗ヒトCD146モノクローナル抗体(移植細胞由来の血管内皮細胞の指標)(3)抗von Willebrand Factor抗体,抗VCAM抗体,抗Laminin抗体(血管新生の活性化の指標)(4)抗ラットIgG抗体,抗ラットIgM抗体(ラット血中分子に対するBBB開放の指標)各々の抗体とBectastein ABC Elite kitにより可視化。これらからマンにトールを用いて脳内にCD34陽性細胞を生着させうることを確認した。 今後はさらに他の条件での移植法の確認と、生着による行動異常の改善を確認する必要がある。
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