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2009 年度 実績報告書

キラー・コンフォメーションを標的とするプリオン感染イメージング薬剤の開発

研究課題

研究課題/領域番号 20659192
研究機関長崎大学

研究代表者

中山 守雄  長崎大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 教授 (60164373)

研究分担者 原武 衛  長崎大学, 医歯薬学総合研究科, 准教授 (40325668)
キーワードアミロイド / 異常プリオン / 放射性薬剤 / SPECT / 分子イメージング / Sup35
研究概要

Sup35は,その異常形コンフォメーションを正常形へ伝播して自己凝集し,アミロイドを形成する酵母由来のプリオン様タンパク質である。X線結晶構造解析法により,Sup35のアミノ末端のペプチド断片(^7Gly-Asn-Asn-Gln-Gln-Asn-Tyr^<13>)は,アミロイドの中核であるCross-β構造を形成することが明らかにされている。本研究では,プリオンタンパク質のアミロイド形成に関する知見を得ることを目的として,溶液中におけるこのペプチド断片の自己凝集挙動を調べた。
ペプチド断片を0.01Mリン酸緩衝液(pH7.4)に溶解し,種々の条件で攪拌しながら,波長400nmにおける濁度及び波長180~400nmにおける円偏光二色性(CD)スペクトルを経時的に測定した。また,得られた凝集体にチオフラビンT(ThT)を加え,励起波長450nmにおける蛍光スペクトルを測定した。
ペプチド溶液の濁度は経時的に増大し,CDスペクトルの波長225nm付近の吸収帯の出現及びThTの蛍光強度の増大が観察された。これらの結果から,β構造を有するペプチド凝集体(アミロイド)の形成が支持された。しかしながら,濁度やCDスペクトルの経時変化の様子は,ペプチド溶液の攪拌条件によって異なった。ペプチド溶液を攪拌子で激しく攪拌すると,わずか数時間で濁度およびCDスペクトルに変化が現れ,約24時間後には針状凝集体の形成が光学顕微鏡下で確認された。一方,ペプチド溶液を穏やかに攪拌すると,濁度やCDスペクトル変化の出現は遅延した。また,ペプチド溶液濃度の違いもペプチドの凝集挙動を変化させた。したがって,Sup35のアミロイド形成ペプチド断片の自己凝集は,ペプチド分子の衝突頻度に依存していると考えられた。これらの基礎情報は、キラー・コンフォメーションを標的とするプリオン感染イメージング薬剤の開発行う上で有用である。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2010

すべて 学会発表 (2件)

  • [学会発表] キナクリン誘導体のアミロイドイメージングプローブとしての評価2010

    • 著者名/発表者名
      小橋信弥, 祖母井香織, 原武衛, 淵上剛志, 布施隆行, 西田教行, 中山守雄
    • 学会等名
      日本薬学会 第130年会
    • 発表場所
      岡山大学津島キャンパス(岡山市)
    • 年月日
      2010-03-30
  • [学会発表] プリオン様タンパク質Sup35由来アミロイド形成ペプチドの凝集挙動の検討2010

    • 著者名/発表者名
      瀧口徹, 原武衛, 淵上剛志, 中山守雄
    • 学会等名
      日本薬学会 第130年会
    • 発表場所
      岡山大学津島キャンパス(岡山市)
    • 年月日
      2010-03-28

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公開日: 2011-06-16   更新日: 2016-04-21  

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