研究課題
ヒト骨髄10検体から間葉系幹細胞(hMSC)を分離し、培養、分化抑制因子LIF、bFGF添加にて未分化状態で増殖を行った。またhMSC由来の不死化細胞株8株とさらにhTERT(human telomerase reverse transcriptase)導入でテロメラーゼを強制発現した株がん化細胞株5株を用いて検討を行った。網羅的遺伝子発現解析で、未分化hMSC細胞ではゲノムの10%程度の遺伝子のみ発現していた。さらに、不死化細胞株、がん幹細胞株で有意に発現した遺伝子から、定量PCRで有意に上昇している12遺伝子を選別した。また、hMSCのテロメアは、約40kbと伸長し、テロメラーゼ活性はなく、テロメラーゼ非依存伸長機構(ALT)を有していた。また、hTERTを導入したhMSC-株はテロメア長、増殖能、形態学的変化も顕著な差はなく、hMSCと同様に、脂肪細胞、骨芽細胞、筋肉細胞へ分化誘導しえたが、同時に、テロメア長が短縮することも確認した。しかし、NOD/SCIDマウスにhMSC細胞株、hTERT導入がん化細胞株4株を接種すると、いずれも腫瘍を形成し、hTERT導入細胞株5株中3株で、浸潤、遠隔転移を認めた。マイクロRNA(miRNA)の検索から、hTERT導入により抑制されたmiRNAのターゲットから、未分化な増殖状態に保つシグナルであるWntシグナルなど3経路に加えて、がん細胞株でhTERTを導入によってさらに活性化するパスウェイとして2経路が明らかになり、不死化獲得機構に加えて、がん化の機構の解明が可能となり、このパスウェイから候補遺伝子を3つ抽出した。これらからhMSCの長期培養法とhTERT導入によるによる悪性転換経路が明らかになり、作製したがん幹細胞株は、ヒトがん幹細胞のモデルとして今後多くの領域の研究ツールとなった。
すべて 2009 2008
すべて 雑誌論文 (19件) (うち査読あり 16件) 学会発表 (47件) 図書 (3件)
Pediatric Blood and Cancer (In press)
Experimental Lung Research 34
ページ: 373-390
Lancet 371
ページ: 1173-1180
Oncogene 27
ページ: 4200-4209
Surgery 143
ページ: 113-125
Genes to Cells 13
ページ: 145-157
International Journal of Oncology 32
ページ: 413-423
Journal of Gastrointestinal Surgery 12
ページ: 17-28
Journal of Surgical Oncology 97
ページ: 469-475
Journal of Antibiotics, Japan 61
ページ: 122-171
臨床化学 37
ページ: 410-417
International Journal of Cancer 123
ページ: 1117-1125
腫瘍内科 2
ページ: 433-439
日本マス・スクリーニング学会誌 18
ページ: 216-222
小児外科 40
ページ: 969-974
Cancer Letters 274
ページ: 25-32
Digestive Diseases and Sciences 53
ページ: 2281-2286
外科 70
ページ: 592-600
膵臓 24
ページ: 89-96