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2008 年度 実績報告書

微弱電磁場冷却装置を使用した零度以下(過冷却)長期心臓保存の実験的研究

研究課題

研究課題/領域番号 20659214
研究種目

萌芽研究

研究機関金沢大学

研究代表者

渡邊 剛  金沢大学, 医学系, 教授 (60242492)

キーワード心臓保存 / 零度以下 / 心臓移植 / Cell Alive System / 微弱電磁場冷却装置
研究概要

本研究の目的は,電磁場冷却保存装置(CAS)という,素材の水分子を振動させながら水分の氷結晶化を抑え,過冷却状態を維持する冷却装置を用いた、まったく新しい心保存法の有用性を明らかにすることである.さらに、従来の保存法よりも移植心の保存時間を延長せしめることを目的としている.
【心保存の至適温度】ブタの心臓で(1)通常冷却保存群と(2)CAS保存群に分け,-5℃保存と-8℃保存を行った.-5℃で通常冷却群は凍結してしまうが、CAS保存群は凍結することなく保存が可能であった.また-8℃では両群ともに心臓が凍結することが確認された。このためCAS保存の至適温度は-5℃とした。
【保存方法による比較】CASによる-5℃保存群(A群)と通常冷却4℃保存群(B群)の2群に分け、移植心の保存状態を比較した。保存時間は両群とも24時間とした。当初、心筋保存液の注入を高所からの自然落下によって行っていたが心筋保存液の灌流速度および圧にバラツキがあり、ローラーポンプにて100-120ml/minで灌流する方法に変更するなど、安定した実験系が確立するまでに多数の予備実験を要した。
【移植心血液再灌流モデルによる心拍動実験】実験系が確立したところで、A群6例、B群2例で大動脈基部からの血液再灌流による心拍動実験を施行した。再灌流は大動脈圧を50-60mmHgに保つように行った。A群では6例とも心拍動を得ることができ、冠灌流量も84.2±14.0ml/minと良好であった。しかし、B群では1例は肉眼的にわかる程度の弱い心拍動が得られず、もう1例は拍動しなかった。冠灌流量も18.5±1.5ml/minと十分灌流することができずいわゆるstone heartの状態であった。今年度も、両群の症例数を増やし、心機能評価の比較を行う予定である。また両群の心保存状態を,臓器内ATP量や組織構造,血液再灌流時における心機能の回復率などにより比較し,本保存法の有用性を明らかにしたい。

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公開日: 2010-06-11   更新日: 2016-04-21  

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