研究課題
萌芽研究
本年度は悪性脳腫瘍細胞を移植した同系マウス皮下腫瘍モデルを作成し、同モデルのガンマ線照射装置を作成した。さらに、放射線照射後にこの新規免疫アジュバントCalTUMPを局所へ投与した場合、放射線照射単独または新規アジュバント単独投与による効果と有意な差が出るかどうかを明らかにした。特に照射線量、照射とCalTUMP投与の間隔について検討した。【対象および方法】C57BL/6マウスとマウス由来G1261グリーオーマ細胞株を用いた。C57BL/6マウスにG1261グリーオーマ細胞株を片側の大腿の皮下に5×106個移植し、皮下腫瘍モデルを作成した。移植後約2週間で腫瘍が約5mmから1cmになった時点で、筑波大学医学アイソトープセンターのガンマセルを用い、新たに作成したマウス固定器具と鉛遮蔽器具を用いて大腿の腫瘍部位のみに4Gy×2(8Gy)のガンマ線照射をした。照射から24時間後、CalTUMP(50-60μl)を腫瘍部位に2回投与した。照射後にHydroxyapatiteのみを投与した群、照射後にCalTUMPを投与した群にっき、腫瘍径を経時的に測定した。また、各群のマスの脾臓を摘出してFCMを行い、phenotypeの検討を行った。【結果】マウス皮下腫瘍モデルの作成とガンマ線照射が可能となった。いずれの群でも腫瘍は増殖したが、照射後にCalTUMPを投与した群では、コントロールに比べてその増殖は遅く抑制された。しかし、脾細胞のFCMでは明らかな違いは認められなかった。今後照射線量やCalTUMPの投与のタイミングなどを再度検討し、最適化を行う予定である。
すべて 2009 2008
すべて 雑誌論文 (4件) (うち査読あり 3件) 学会発表 (6件) 図書 (1件)
Int J Radiat Oncol Biol Phys 20(電子出版)
脳と神経 (印刷中)
AJNR Am J Neuroradiol. 29(10)
ページ: 1910-1917
Int J Radiat Oncol Biol Phys. 72(3)
ページ: 723-727