研究概要 |
sox9遺伝子のプロモーターのシークエンス情報をNCBIのデータベースから入手し、これを元にレポーター遺伝子を作成すした。恒常的にsox9遺伝子が発現し、SOX9蛋白が合成されている事を確認した細胞株(HCS2/8, SV40による不死化軟骨細胞株、sox9導入HEK298細胞)にウイルスベクターを用いてレポーター遺伝子を導入し、発現細胞を作成した。Sox9プロモーターを用いたレポーター遺伝子導入発現細胞株において、導入前と変化無くsox9遺伝子が発現されている事を確認した。新たに権利を購入した薬物を加えて2000種の薬物についてsox9遺伝子の発現に与える影響を調べた。このスクリーニングデータを基に抑制的に働く薬剤を20種類程度選別した。これら薬剤についてヒト軟骨細胞において同様にsox9抑制効果が認められた物質を5種類選別した。さらにOA軟骨組織器官培養系においてこれら薬剤を作用させSOX9の標的遺伝子であるType II collagen, Proteoglycan遺伝子について発現量変化をPCRで確認した。これらスクリーニングデータを基に動物実験を計画中であるが、薬物が我が国において多量には入手出来ないので海外に手配中である。入手次第動物(ウサギ)実験に着手して軟骨細胞代謝に与える影響をSOX9, Type II collagen, Proteogiyacanの発現量変化に注目して検討する予定である。同様に内軟骨性骨化に与えるこれら薬剤の影響をATDC5細胞を用いて検討し、同様に候補化合物を得ている。
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