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2009 年度 実績報告書

本人の音声記録による代用音声の開発と音声獲得

研究課題

研究課題/領域番号 20659279
研究機関久留米大学

研究代表者

井上 要二郎  久留米大学, 医学部, 准教授 (80176453)

キーワード音声学 / 生物・生体工学 / 癌 / 移植・再生医療 / 医療・福祉
研究概要

代用音声作成のため、音声記録の実際と言葉の作成について検討した。
1)Mac OsXに対応するサンプリングマシーンとソフトやコンバーターが本年度すべて揃い、マッチングの問題が解決した。また昨年度、音声記録の標準に決めたWaveファイル(.wav)を実際に使用して、WindowsとMacの両方で記録が可能な事が確認でき、これを使用して新しい子音の作成も可能であった。
2)記録した音声(母音)から子音を作る課程で、他人の摩擦音と記録した母音との組み合わせで、昨年度「サ」が再生できた。今回新しく「ス」、「セ」、「ソ」が、破裂音との組み合わせでは「カ行」が再生できた。
3)単音から言葉を作る際、本器が特徴とするバリフレーズ形式(.vpw)に変換すると、音の3要素であるピッチ(高さ)、タイム(長さ)、フォルマント(音質)をそれぞれ独立して変えられる。例えばレコードのターンテーブルをゆっくり回すと歌手の声を長くできるが、声は低くなり、音質も変わってしまう。しかしこの形式では、一つの音声を記録すると、音質を変えないままいろいろな高さの声が作れ、音質を変えないまま声の長さも変えられる。さらにこれがリアルタイムに行える。
4)Waveファイルで二つの声を記録し、バリフレーズ形式に変換すると、二つの声のサンプルから音の3要素を変えて言葉を作れる。実際に「ア」と「メ」から「雨」「飴」「アーメ」「アメー」などが作成出来た。つまり喉頭摘出手術前に本人の声を最小限に記録することで、手術後声を失っても、本人に近い声での新しい言葉が再生可能と考えられた。
5)言葉を再生する際、音声が似ている事以外に話し方の癖の影響も大きい事が解った。今後は音の三要素だけでなく、ミキシングソフトでさらに細かい変化を加え(言葉尻を上げる、音をゆらすなど)、より本人に近い話し方の再現を検討する。

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公開日: 2011-06-16   更新日: 2016-04-21  

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