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2009 年度 実績報告書

スタチンによる手術後認知機能低下の予防に関する基礎的研究

研究課題

研究課題/領域番号 20659318
研究機関鹿児島大学

研究代表者

糀谷 淳  鹿児島大学, 大学院・医歯学総合研究科, 准教授 (60304325)

研究分担者 椙山 加綱  鹿児島大学, 大学院・医歯学総合研究科, 教授 (50124772)
豊里 晃  鹿児島大学, 医学部・歯学部附属病院, 講師 (80313526)
キーワード手術後認知機能低下 / グリア細胞 / 学習・記憶 / スタチン / サイトカイン反応 / 一酸化窒素(NO) / スルフォトランスフェラーゼ / 抗炎症作用
研究概要

頚部郭清や組織再建を伴う長時間の悪性月重瘍手術では、手術後に認知機能の低下(Postoperative cognitive dysfimction; POCD)が観察されることがあり、術後のQOLを損なう要因として問題となっている.POCDは手術部位で産生されたサイトカインが血液脳関門を通過し、中枢神経系に侵入することによって発症すると考えられている.グリア細胞は中枢神経系の支持組織であるが加齢に伴って増加し、種々のサイトカインの主要な標的細胞でもある.スタチンは本来、コレステロールの生合成経路を阻害することにより高コレステロール血症を改善する薬剤であるが、近年コレステロール低下作用だけからは説明できない多彩な機序(pleiotropic effect)を介して抗炎症作用をもたらすことが明らかになっている.プレグネノロンの硫化エステルである硫酸プレグネノロンは学習・記憶障害を改善するニューロステロイドであり、ステロイド代謝酵素スルフォトランスフェラーゼ(SULT2B1a)により産生される.平成21年度では前年度に得られた研究結果の確認聡よび検体数を増加して検討を行った.すなわち、C6グリア細胞株にLPS(1μg/ml)およびTNFα(240ng/ml)の存在下でサイトカイン反応を誘発し誘導型NO合成酵素(iNOS)を発現させるとSULT2B1a mRNAの発現は抑制された.次にC6グリア細胞株にsimvastatinの存在下でiNOSを発現させたところ、SULT2B1a mRNA発現の抑制は回復しなかった,一方C6グリア細胞株にsimvastatin(lμM, 3μM)を単独で投与し24時間インキュベートすると、SULT2B1a血RNAの発現は抑制された.以上の結果よりsimvasLatinはサイトカイン反応によるSULT2B1a発現の抑制に対して抗炎症作用を示さず、単独でSULT2B1a発現を抑制することが示唆された.

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2009

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] Lengths of preformed pediatric orotracheal tubes for children with cleft palate2009

    • 著者名/発表者名
      Sugiyama K, Shimomatsu K, Kohjitani A.
    • 雑誌名

      Pediatric Anesthesia 19

      ページ: 640-641

    • 査読あり
  • [雑誌論文] S-shaped suction catheter for intraoperative intermaxillary fixation2009

    • 著者名/発表者名
      Sugiyama K, Saitoh Y, Kohjitani A.
    • 雑誌名

      Masui 58

      ページ: 777-781

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Combining the EndoFlex tube with fibrotic bronchoscopy in difficult intubation2009

    • 著者名/発表者名
      Sugiyama K, Takahashi N, Kohjitani A.
    • 雑誌名

      Acta Anaesthesiologica Scandinavica 53

      ページ: 960-963

    • 査読あり
  • [学会発表] Rho-kinase inhibitors augment anesthetics-induced relaxation in rat airway smooth muscle2009

    • 著者名/発表者名
      Hanazaki M, Yokoyama M, Morita K, Kohjitani A, Chiba Y.
    • 学会等名
      The 2009 Annual Meeting of the American Society of Anesthesiologists
    • 発表場所
      New Orleans, LA, USA
    • 年月日
      2009-10-17

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公開日: 2011-06-16   更新日: 2016-04-21  

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