研究課題/領域番号 |
20659332
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研究種目 |
萌芽研究
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
佐々木 美奈子 東京大学, 大学院・医学系研究科, 講師 (00302670)
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研究分担者 |
菅田 勝也 東京大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (20143422)
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キーワード | 危険予知トレーニング / 医療安全 / 視点計測 / 看護師の確認行動 / アセスメントポイント / 眼球運動 / 心理的負荷 |
研究概要 |
新卒看護師を対象とした危険予知トレーニングの実施およびその評価指標選定のために、経験のある看護師の確認行動を把握することを目的として、病院看護師の協力のもとケアシナリオを検討し、協力者を募って実験を行った。 経験3年目以上の病院における臨床看護に従事する看護師を対象として、看護師が患者のベッドサイドで看護ケアを行う際の行動および視点の動きを記録・観察し、測定終了後、参加者と一緒に記録画像を見ながら、行動の意図について振り返りを行った。看護ケアは、異なる3条件下(二重課題、タイムプレッシャー、負荷なし)で行い、心理的負荷によるケア行動の変化を検討した。3回の実施時それぞれに、危険な状況(誤った薬剤名など)を3種類設定し、参加者が設定した危険状況に気付くかを記録した。 実験には、16名の看護師(経験年数3年目〜15年目)の協力が得られた。心理的負荷の有無と設定した危険状況への気付きには、関連は見られなかった。訪室時の確認ポイントとしては、異常の早期発見、前任者実施作業の確認、ベッドサイドの環境整備が挙げられ、患者との会話内容や受け答えの様子から患者の状況を判断していた。 経験年数5年以上の7名の停留点分析の結果、1回のケアあたりの総停留時間の平均は、負荷なし:183.6S、タイムプレッシャー:120.4S、二重課題:235.OSであった。看護師の作業中の視点は、作業に関連するもののみに向けられていた。各自が必要と考えるアセスメントポイントに、それぞれの順序に従って視覚による確認を行っていた。患者顔面、患者の体・付属物(尿管など)への停留時間は、TPにおいて短くなる傾向があり、看護師は、作業の状況により、戦略的に視覚確認のポイントを変更していることがうかがえた。
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