研究概要 |
平成21年度の研究成果 平成21年度は、健康者に実験痛を用いるほか、臨床痛患者を被験者に、実験室内で痛みと痛み反応を定量的に計測する方法を利用しながら、ビーズテープ材の鎮痛効果を検討した。 1. 実験痛への短時間の効果:(深井) 今年度は実験痛として冷水刺激による痛みを使用し、ビーズテープの鎮痛効果を検討した。痛み反応として血圧・心拍数を測定した(B)ほか、痛み自体は5種類のアセスメントツールにより測定・評価した(A1)。 その結果、11名の健康学生において、閾値レベル・耐痛レベルともにビーズテープ材に鎮痛効果があることが確認された。(この成果発表は、平成21年9月、第8回日本看護技術学会にて発表、大会賞を受賞した) 2) 臨床痛への短時間の効果:(深井) 部活動で打撲や捻挫などを負った承諾の得られた学生を対象に、痛覚定量分析装置による痛み評価(A2)、A1、Bによって痛み及び痛み反応測定を行った。臨床痛においてもいくつかの対照群を作り、鎮痛メカニズムを探究した。 その結果、ビーズテープの効果が実験室内でも定量的に証明された(平成22年度表予定) 3) フィールドでの長時間の効果:(深井・佐知) 研究者の身近の知人や外来患者で痛みをもつ人を対象に、ビーズテープの長期的な効果を、A1により痛みの測定・評価を、20年度に引き続き行った。 その結果、痛みをもつ対象は地域で生活する70名で,延べ151の痛みを体験していた。その内訳は,突き指・打撲・筋肉痛などの整形外科的痛みが125,次いで切り傷・擦過傷9,頭痛5などであった。これら151の痛みのほとんどがビーズテープによって軽減した。鎮痛効果の出現時間は一様ではなかったが,効果は痛みの種類に無関係であった。また,粘着部分に貼付する素材は扁平なビーズより球形の方がより効果的な傾向がみられた。(平成21年7月、第31回日本疼痛学会にて発表)
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