本研究では「晴護ベンチャー」を必要とする将来の少子高齢化社会の実態に着目し、看護師のベンチャースピリッツと起業知識を育成する教育プログラムを看護教育に取り入れるための調査を実施した。平成20年度は、女性起業家あるいはベンチャー起業家のマネジメント能力を明確化すること、さらに各大学のMOTカリキュラムを分析し、看護ベンチャー教育カリキュラムの構築を図るために、以下のような研究を実施し成果を得たので報告する。 1.インタビュー調査と分析 女性企業家あるいはベンチャー起業家へのインタビュー調査を、7件実施した。インタビュー内容の質的記述的分析により、特に女性起業家の成功要因や起業時の困難を中心に抽出した。看護ベンチャーとしての成功要因を分析する中で、看護教育カリキュラムへの応用の検討を進めている。調査にあたっては、インタビュー対象者の人権擁護に十分に配慮して研究をおこなった。 今回のインタビュー調査の分析により、看護ベンチャーとしてのビジネスモデルを想定し、一定のシミュレーションを研究者問で検討する必要性があることを明確化でき、次の段階へ向けて意義のある調査であった。 2.MOTコース資料収集と分析 日本の各大学で実施されているMOTコースの現状と教育カリキュラムの情報を、便覧・電子データなどを利用して収集した。カリキュラム内容の分析は現在も進行中であるが、看護ベンチャーモデルを枠組みとして、実際にどのようなカリキュラムの優先度が高いのかを検討する基礎資料となる。
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