研究概要 |
脳卒中超急性期を脱した患者は,次に,脳のダメージに伴う機能障害に対して新しい体の動かし方を覚え,これからの生活や人生の再構築を主体的に考えなければならない.文字通り脳卒中サバイバーとして生きていくことを余儀なくされる.この脳卒中サバイバーへの支援方法について探求することが今回の研究テーマである.このうち,平成21年度の研究目的は,海外とくに脳卒中情報提供を看護実践している識者との情報交換と連携を目的に,国際脳神経看護連盟WFNN看護学会に参加した(2009.5/22-29.参加者田村綾子,市原多香子於カナダ,トロント).また,脳卒中サバイバーへの情報提供のための参考図書の購入した.日本における脳卒中サバイバーに対する情報提供の実態を関連学会・研究会に参加し確認すことを目的に,日本脳神経看護研究学会(9/18-20参加者南川貴子,於北海道)に参加し,成果を発表した.徳島大学病院臨床研究倫理審査委員会での承認を得て,脳卒中サバイバーとして知識欲の高い対象者の存在の実態と脳卒中発作で入院後,脳卒中サバイバーで継続的に観察できる事例について,面接調査と情報提供を繰りかえした.データ収集方法は,半構成的質問紙法を用い,インタビューを行った.その結果,脳卒中に発症しSCUに緊急入院後,病態安定し自宅もしくは他施設に転医する患者を対象にして,得られた事例数は5事例と,少ないものの脳卒中サバイバーとして知識欲の高い対象者の存在の再確認をすることができた.突然に発症した脳卒中患者の急性期の心理的変化を明らかにすることができた.
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