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2009 年度 実績報告書

病気の子どもの自分らしさの探索獲得プロセスに関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 20659347
研究機関信州大学

研究代表者

鈴木 泰子  信州大学, 医学部, 助教 (60283777)

キーワード同世代からの遊離 / 子ども社会での経験不足 / 居場所獲得のための努力 / 急変への備え / 日常に埋め込まれる病気 / 小児期からの病気経験
研究概要

病気の子どもが発病後の治療プロセスを通して、どのように病気とともに成長発達を遂げていくのか、そのプロセスに存在する必要不可欠なことや周囲や本人の力によって回避可能なことがどのように関わりあっているプロセスであるのかを明らかにしようと研究をすすめた。前年度同様、グラウンデッド・セオリー・アプローチに基づき、データ収集・分析をすすめた。本年度のデータ収集は骨髄移植・肝移植及び小児がん経験者を中心とした研究協力者8名に対してインタビューによって行い、分析は収集したデータを逐語録化した上でコーディングを進めた。また、随時本研究方法論に精通する研究者によるスーパーヴィジョンを受け、データ収集や分析の正確性を確認した。カテゴリー、サブカテゴリーとして抽出されたものとして(1)《生きるために不可避な難題の理解と対峙》《生活への病気の共存化の進行》《日常に埋め込まれていく病気》《非日常的な死の日常化》《急変への不断の備えの強化徹底》《体調悪化への冷静な見通し》《普通の社会生活獲得へのチャレンジ》《絶対的な安全保障の限界の実在化》《病者として一方的に保護されることからの脱却》、同様に(2)《健康によって変容する関係性》《集団での居場所獲得への努力》《少数派であることの意識化》《安易な共感を超越して可能となる相互理解》《人間関係構築における回避という対処》《変わらない親密性への誠実さ》《親密な関係性構築のための条件成立》、(3)《子ども社会での経験不足の蓄積》《同世代からの遊離》《意図的に継続する通学》《アイデンティティ獲得における困難の顕在化》《病院生活から生まれる世界観の成立》が抽出された。今後は長期入院を経験せず治療経過の異なる病児や病気経験のない青年等による理論的サンプリングをすすめながら、比較分析によってカテゴリー、サブカテゴリーを洗練し、カテゴリー間の関連をさらに明確化し理論化をすすめていく。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2009

すべて 学会発表 (1件) 図書 (1件)

  • [学会発表] Study on the process of the experience of the children to live with life-Threatening conditions through the bereavement of the friends2009

    • 著者名/発表者名
      鈴木泰子
    • 学会等名
      The 1^<st> International Nursing Research Conference of World Academy of Nursing Science
    • 発表場所
      兵庫県神戸市
    • 年月日
      2009-09-19
  • [図書] 子どもの医療と生命倫理:資料で読む2009

    • 著者名/発表者名
      玉井眞理子, 永水裕子, 横野恵編
    • 総ページ数
      258
    • 出版者
      法政大学出版局

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公開日: 2011-06-16   更新日: 2016-04-21  

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