研究課題/領域番号 |
20659352
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研究機関 | 香川大学 |
研究代表者 |
祖父江 育子 香川大学, 医学部, 教授 (80171396)
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研究分担者 |
伊藤 進 香川大学, 医学部, 教授 (80145052)
大西 美智恵 香川大学, 医学部, 教授 (30223895)
松井 妙子 香川大学, 医学部, 教授 (50290359)
谷本 公重 香川大学, 医学部, 准教授 (10314923)
越田 美穂子 香川大学, 医学部, 准教授 (30346639)
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キーワード | 小児救急医療 / 子育て支援 |
研究概要 |
小児救急医療の整備状況や家族形態による小児救急医療のニーズを比較検討するため、2009年1月~3月香川県下の全ての幼稚園と保育園(所)の通園(所)児および1歳6ヶ月健診・3歳児健診受診児の保護者を対象に、家族構成、就労状況、小児救急医療への不安、直近の小児救急医療利用状況等について郵送法と留め置き法で調査した。本研究は香川大学医学部倫理委員会と調査施設の承認を得て実施し、調査票の返送をもってインフォームド・コンセントを得たとみなした。 小児救急医療への保護者の不安尺度(GFI=0.9147、RMSEA=0.0797、Ordinal alpha係数=0.91)は「小児救急医療」「小児救急医療システム」「公的サポート」「私的サポート」を構成し、小児救急医療受診理由尺度(GFI 0.919、RMSEA 0,0942、Ordinal alpha 係数=0.95)は、「良い治療の希望」「保護者の都合」 「病状不安」「重篤な症状」を構成した。 小児救急医療の整備状況では、離島は救急受診率、準夜帯の受診率とも低率で、検査や点滴を要する症状での救急受診傾向を示した。コレスポンデンス分析において、準夜帯小児救急診療所対応の医療圏に小児救急医療への不安4因子が近接し、「保護者の都合」や軽症の救急受診傾向を示した。 家族形態では、ひとり親(母)が、「重篤な症状」「良い治療の希望」を理由に救急受診しており、休日昼間、準夜帯、深夜帯とも年間救急受診回数が最も多数回であった。祖父母同居のひとり親(母)、祖父母同居のひとり親(父)は軽症受診、「保護者の都合」による救急受診の傾向を示した。病児病後児保育は、共働きの核家族と一人母の利用が高率であった。 今回の調査は、離島とひとり親の保護者が小児救急医療におけるハイリスクであることを示唆した。
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