研究課題/領域番号 |
20659353
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研究種目 |
萌芽研究
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
新小田 春美 九州大学, 医学研究院, 准教授 (70187558)
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研究分担者 |
末次 美子 九州大学, 医学研究院, 助教 (70437789)
濱田 裕子 九州大学, 医学研究院, 准教授 (60285541)
藤田 綾佳 九州大学, 医学研究院, 助教 (10437791)
馬場 みちえ 福岡大学, 医学部, 准教授 (60320248)
新小田 幸一 広島大学, 大学院・保健学研究科, 教授 (70335644)
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キーワード | 睡眠健康教室 / 夜型生活 / 睡眠習慣 / 質的分析 / インタビュー / 乳幼児の睡眠 / 心身発達 |
研究概要 |
<目的>24時間社会は大人のみではなく、幼い子ども達の睡眠環境の変化をもたらす。乳幼児期の睡眠の安定性が精神に及ぼす影響を明らかにし、睡眠に乱れが認められる場合のその介入法を構築することを目的に、ポピュレーションストラテージ開発のためのデータ蓄積に貢献する。 <意義>両親の遅寝改善がもたらす乳幼児の生活リズムと心身の健康状態の評価と,教育的啓発にかかわるアクションプランを構築することを目指す。子どもの生活環境への改善は、次世代を担う子ども達を健全に育成していく「健やか親子」や「次世代育成支援対策」を推進する行政スローガンとも符合するものであり、子どもの睡眠リズム障害や睡眠健康問題に関して、こどもの心身発達への影響や社会問題の解決の糸口を見いだせるものと期待する。本研究は、子どもの睡眠リズムの改善に、養育環境の1つといえる大人の保健行動や健康認識の変換によるこどもの睡眠・生活リズム調整を可能とし、地域保健活動および教育行政を通して、生体リズムを意識した養育環境と健康管理との関係性を明らかにする基礎資料となりうるものと考える。 <第1ステップ;平成20年度>子どもの就寝を促す関連要因の質的分析 初年度は睡眠健康教室を開催し、その参加者との交流会を通じて、インタビュー内容にっいて質的分析を行った.3年間のコホート研究に同意し、10日間の睡眠日誌をつけた親子に、保育士による親子遊びと医師および助産師による相談コーナーも企画した「睡眠健康教室」への参加を促した。睡眠健康講話終了後年齢別グループを作り、"睡眠に関する話題"でインタビューガイドに従って30分程度面接を行った。参加した24組(1回目15組、2回目10組)の面接をテープ起こし、6名の看護師で分析を行った。 <結果>睡眠に対する認識、行動、関連要因にわけ、インタビュー内容を分析した。22時以降の遅寝の母親は、早寝させることへのジレンマを持っているもの、子どもの睡眠習慣について、肯定的な認識と否定的認識があった。子どもの成長とともに睡眠行動が定着し、安定していると受け止めている母親もいた。1人つ子の場合は、他の人との比較、兄弟のいる場合は、上の子どもとの比較で、子どもの睡眠に対する意識・認識が異なっていた。子どもの早寝を促す親の努力・工夫(添い寝、狸寝入りなど)が見られた。子どもの就床に関わる関連要因として、夫の単身赴任、遅い帰宅、昼間の情動の影響があがった。子どものために参加したが、夫婦共に睡眠について考えるきっかけになったという者がいた。今後、データ数を増やし、年齢影響や遅寝・早寝など睡眠パラメータとの関係性など、睡眠の質評価(客観データ収集)も合わせて分析を深める予定である。
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