1. 知的障がい児の性的健康支援の実態と課題に関する調査結果のまとめ、公表、意見交換 20年度に特別支援学校の児童生徒の保護者と教員を対象に調査を実施した。保護者は、身だしなみや日常生活ルールなど社会での自立に必要な基本的事項を優先して教え、家庭内での性教育に戸惑いがあること、避妊や性行為については、今すぐ教える必要性を感じていないことが明らかになった。一方教員は、教科だけでなく日常生活全般で性教育に取り組み、生徒の性に関する行動について問題意識をもっていることが明らかになった。生徒が日常生活の基本的事項を身につけつつ自己の性や他人への認識を深める教育の必要性が課題として示唆された。この調査結果を、第29回日本看護科学学会学術集会で発表し、山形保健医療研究で論文発表した。 さらに、知的障がい児の保護者や関係者に理解しやすい形の報告書にまとめ、関係機関に配布した。この報告書をもとに、知的障がい児・者を支援する関係者や特別支援学校の養護教諭と意見交換し、知的障がい児の性的健康支援の課題を共有した。 2. 性の健康に関する集団指導の教育方法の検討 特別支援学校中等部での公開授業に参加し、障がいをもつ生徒の実態に即した教育方法や家庭との連携について参加者と意見交換した。さらに、特別支援学校高等部における「月経の手当て」「性被害予防」等の6つの授業に参加し、性に関する集団指導の教育方法や教材について検討した。 3. 知的障がい児の性的健康支援ネットワークの構築 関連学会、関連の研修会等に参加し、専門家から助言を受けた。特別支援学校の教員や知的障がい者施設の関係者と情報交換し、連携をはかった。
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