研究概要 |
本研究では,患者から発信されたメッセージの受信・処理技能について,精神科看護師と学生や他科の看護師を比較することによって,精神看護に必要な技能の特徴を明らかにすることを目的としている。患者のメッセージは言語と非言語からなり、特に非言語のメッセージは重要な意味を持つ。そこで、本研究ではメッセージ発信場面を映像化し、調査対象はその映像を見て、映像から受け取った情報とそこから考えたことを回答するという方法を考えた。昨年度メッセージ発信場面のシナリオを作成し、映像化するまでを実施し、本年度はそれを用いてプレテストを実施した。プレテストの結果、場面がわかりづらいという指摘があったため、一部シナリオを変更した。また、映像の入ったCDを再生する際、コンピュータによって解像度が異なったり、操作がわからない人もいることを考え、映像再生プログラムの作成を依頼し調査用CDを制作した。調査用CDを用いて、精神科に勤務する看護師50名、精神科以外に勤務する看護師50名を対象に調査を実施した。しかし、回収率は50%に満たなかったため結果の信頼性が確保できないと判断し、調査対象施設を増やして再調査を実施した。 結果の分析はまだ行っていないが、精神科看護では非言語メッセージに着目することが重要とされている。精神科看護師が他科の看護師に比べて、非言語メッセージを多く受信していること、言語と非言語のメッセージを包括してメッセージの意味を解釈していること、それとともに非言語メッセージのどの部分に特に注目しているかという特徴が明らかになることが期待される。
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