研究課題/領域番号 |
20659362
|
研究機関 | 青森県立保健大学 |
研究代表者 |
山田 典子 青森県立保健大学, 健康科学部, 講師 (10320863)
|
研究分担者 |
川内 規会 青森県立保健大学, 地域連携・国際センター, 講師 (30315535)
富田 恵 青森県立保健大学, 健康科学部, 助教 (10325912)
山田 真司 青森県立保健大学, 健康科学部, 教授 (00200741)
リボウィッツ よし子 青森県立保健大学, 健康科学部, 教授 (50305033)
|
キーワード | セーフコミュニティ / セーフティプロモーション / 市民ボランティア / 形成過程 / 住民活動 |
研究概要 |
本研究対象の市民ボランティアは、PTA活動を卒業した主婦、保健推進員、民生委員、障害者作業所ボラ、元保健師、老人保健施設職員、建築十らで構成され、地域に精通していて、住民の実情を詳しく把握しているといった特徴がみられた。 この住民活動が、太素祭やフェスティバルという情緒的な活動だけではなく、自殺予防等の地域福祉、安全な環境等の社会的な面に広がりをみせていった。安全・安心なまちをつくりたいという共通の想いを持つ入たちが集い,「あんなこともしたいね」「これはどうだろう」と様々なアイデアを出し合い、少人数では超えられない壁を突破した。活動開始当初は住民活動に行政が手を貸し、コマに使う場面が見られた。しかし、市民は定例会等で地域が直面している問題に関するデータに触れ、学び、市民として地域の課題に関する問題意識を持ち、その解決に協力する意識と態度が形成されていった。 行政はそのような市民に活動の場をタイムリーに提供していった。そこで市民は、隣人やその他の小グループとの交流を体験し、様々な活動を重ねるなかで「合意をつくりあげる能力1を磨き、連帯・協調・協力の精神が培われていた。セーフティプロモーション活動を通し、自治意識や主権者としての白覚や行動が誘発され、行政や社会体制への批判的も言語化されるようになった。この批判は、地方自治体に対するものや地域住民に向けられるもの、そして住民自身に向けられる批判でもあったように見受けられる。 「公(行政)」は、「個」を抑制し、「タテ」の秩序によって地域全体の調整を図る特性があり、「住民(市民ボランティア)」は、「個」の尊重の下に「ヨコ」の秩序の原理で地域の利害や対立を調整していこうとする機能特性がある。当初は、市民参加に対する行政内の抵抗が強かったが、市民ボランティアが多数関与し、セーフコミュニティ認証を得るに至ったことで、市民ボランティアの濃密な活動力に対する行政評価が高まった。
|