前年度までに介護予防への有効性を検証したフットケアを高齢者自身に指導介入し、12週間におけるケア方法習得のプロセスを明らかにした。また、指導介入以前と12週間のケア実施後の足部の形態・機能および立位・歩行能力の変化からセルフケアによるケアの効果を検証した。ケア方法習得のプロセスでは、6週目にはほぼ習得することが明らかとなったが、介入期間全般・介入期間導入期・介入期間前半・介入期間中盤・介入期間後半それぞれの時期において、指導介入の内容や介入レベルが変化することから、各時期における介入内容の内容を抽出した。また、足部の形態・機能および立位・歩行能力においても、前年度に報告した看護者の介入によるフットケアと同様の効果が得られた。フットケアの期間は前述した看護者による介入の2倍の12週間であったが、6週間後の効果を比較しても同様の効果が得られていた。また、6週間以降は変化がみられない項目もあることから、介入期間は足部の状況に合わせて6週間から12週間でよいことが示唆された。さらに、フットケアによる足部の実態や効果の検証をとおして、フットケアは、観察・ヤスリがけ・足浴・マッサージ、足趾および足関節の運動の5つの構成内容が妥当でありケアの特性から検討した実施手順の妥当性も明らかとなった。以上の結果から、フットケアの構成内容および手順、実施期間、各時期における指導介入の方法というフットケア介入プログラムを開発した。今後はフットケア介入プログラムを現場に導入し、プログラムの修正およびケアマニュアル等を作成する予定である。
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