研究概要 |
本研究は、人間の知がどのような仕組みで生じるのかという起源の問題を、乳児期初期の発達過程に焦点を当てて包括的に明らかにしようとするものである。そのために、脳科学手法、行動計測手法、モデル化手法等を駆使し、乳児の運動、感覚、認知、言語、記憶等に関わる動的な変化の過程を明らかにする。そして、人間の脳や身体を動的に発展するシステムとして捉え、システムレベルで知が構成される原理を追究する。特に、領域固有性と一般性,U字型変化、多重時間スケール、力学と論理の問題を扱う。研究代表者らが乳児研究で確立した多チャンネル近赤外分光法(NIRS)を用いた脳機能イメージング手法、3次元動作解析装置等を用いながら、脳や身体の初期発達のダイナミックな変化を捉え、その機構を明らかにする。具体的には、多種感覚の分化と統合の過程に関連する大脳皮質の発達、音声や言語の知覚と生成に関連する大脳皮質の発達、環境との相互作用を通じた学習と行動等を研究する。
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