研究課題
本研究課題では、神経情報を受容するシナプス近傍における樹状突起が、神経情報の統合をいかなるシグナリングのクロストークによって実践しているのか、さらに、そのような「場」を提供する樹状突起の形態が、神経情報によっていかに修飾・維持されているかについて、徹底的に解明していこうとするものである。本年度は、5年計画の3年目で次のような成果を得た。樹状突起形態制御因子であるCaMKIγのノックアウト動物の解析を本格化し、行動表現型の有無を調べた。さらにKO脳組織と野生型マウスの脳組織を比較し、リン酸化ペプチドームにおける差異を検索し、樹状突起形態形成に関連する因子の抽出を試みている。Synapse-to-soma,soma-nucleus signaling解析については、Arcを中心に解析を深めた。特にArcプロモータSARE領域のCRE部位に結合するCREB複合体の生理的意義について解明し、さらにArcの樹状突起内動態を可視化するArc-EGFPを用い、シナプス局在分子のArcリクルーティングに関するCaMKIIbetaの役割を明らかにした。またin vivo脳機能修飾法として必須のAAVウィルス調製法の最適化を行い、AAV1ならびにAAV2について大量調製法を確立した。
すべて 2011 2010
すべて 雑誌論文 (5件) (うち査読あり 5件) 学会発表 (19件)
Commun.Integr.Biol.
巻: 3 ページ: 443-446
Eur.J.Neurosci.
巻: 32 ページ: 224-230
Nature Chem.Biol.
巻: 6 ページ: 560-563
Nature
巻: 465 ページ: 182-187
J.Neurosci.
巻: 30 ページ: 4981-4989