研究課題
本研究は、低次元金属材料中の低エネルギー(赤外)プラズモンについて、光・電子の両プローブ法を用いて計測し、原子スケール、ナノスケール物質の電磁応答特性を解明する。今年度は、貴金属原素、三族原素、ランタニド元素の3種類の異なった元素を用い、原子スケール金属鎖構造の研究を高波数分解EELS法を用いて系統的に進め、これらの系が金属的電子状態にある場合には、すべて低エネルギーの赤外プラズモンが生じることを明らかにした。これらの系の電子状態が金属から半導体に変化する際に、低エネルギーの赤外プラズモンの分散関係の一部あるいは、全部が消失することを明らかにした。また、原子スケール欠陥が赤外プラズモン励起に及ぼす影響についても研究を開始した。さらに、これら原子鎖構造の低エネルギー光学応答特性を計測するために、高感度な超高真空赤外吸収分光装置を組みあげ、試運転を行い再現性のあるデータを得ることに成功した。さらに、研究の対象を原子スケール構造物だけでなく、メゾスケールー金属構造物へと拡張し、溶液中のプラズモン増強赤外吸収材料の、その場ナノ構造制御と高性能化の研究を行った。水のOH振動と低エネルギー電子励起の混成モードのシグナルのスペクトル形状(Fano共鳴スペクトル)を利用して、高い増強性能を持つナノセンサー材料を再現性良く、簡便に製作する技術を確立した。増強の物理的メカニズムについてより精密に定量的に解明を進めるために、ナノ赤外センサー材料の分子レベル形成過程の成長反応モデルと作成した材料の結晶性と構造について詳細に研究を進めた。
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