アブラナ科植物の自家不和合性における自己・非自己識別機構の分子基盤

2012 年度 研究成果報告書

• 研究課題/領域番号: 20678001
• 研究種目: 若手研究(S)
• 配分区分: 補助金
• 研究分野: 育種学
• 研究機関: 東北大学
• 研究代表者: 渡辺 正夫 東北大学, 大学院・生命科学研究科, 教授 (90240522)
• 研究期間 (年度): 2008 – 2012
• キーワード: アブラナ科植物 / 自家不和合性 / 花粉-柱頭相互作用 / 細胞内情報伝達 / 自家和合性 / 変異系統 / 遺伝子マッピング / 遺伝子発現 / 分子マーカー

研究概要

本研究では、S遺伝子以外の原因で自家和合性に変異した系統を遺伝解析し、原因遺伝子の単離を目的として、染色体のどの領域に変異が生じているかを明らかにした。シロイヌナズナの花粉側S因子のSP11に逆位がある系統を見いだし、遺伝子改変、遺伝子導入により、自家不和合性にすることに世界で初めて成功した。受粉反応が起きる乳頭細胞をLMDで切り出し、次世代シークエンサーと組合せで、下流因子の候補の基盤構築も行った。

研究成果

• [雑誌論文] Molecular genetics, physiology and biology of self-incompatibility in Brassica- ceae. Proc (2012)
  • 著者名/発表者名: Watanabe, M., Suwabe, K., and Suzuki, G.
  • 雑誌名: Jpn. Acad. Ser. B. 巻: 88 ページ: 519-535
  • DOI: DOI:10.2183/pjab.88.519
  • 査読あり
• [雑誌論文] Evolution of self- compatibility in Arabidopsis by a mutation in the male specificity gene (2010)
  • 著者名/発表者名: Tsuchimatsu, T., Suwabe, K., Shimizu-Inatsugi, R., Isokawa, S., Pavlidis, P., Stadler, T., Suzuki, G., Takayama, S., Watanabe, M., and Shimizu, K. K.
  • 雑誌名: Nature 巻: 464 ページ: 1342-1346
  • DOI: DOI:10.1038/nature08927
  • 査読あり
• [雑誌論文] Novel self-compatible lines of Brassica rapa L. isolated from the Japanese bulk- populations (2010)
  • 著者名/発表者名: Isokawa, S., Osaka, M., Shirasawa, A., Kikuta, R., Komatsu, S., Horisaki, A., Niikura, S., Takada, Y., Shiba, H., Isogai, A., Takayama, S., Suzuki, G., Suwabe, K., and Watanabe, M.
  • 雑誌名: Genes Genet. Syst 巻: 85 ページ: 87-96
  • URL: https://www.jstage.jst.go.jp/article/ggs/85/2/85_2_87/_article
  • 査読あり
• [雑誌論文] Trans-acting small RNA determines dominance relationships in Brassica self-incompatibility (2010)
  • 著者名/発表者名: Tarutani, Y., Shiba, H., Iwano, M., Kakizaki, T., Suzuki, G., Watanabe, M., Isogai, A., and Takayama S
  • 雑誌名: Nature 巻: 466 ページ: 983-986
  • DOI: DOI:10.1038/nature09308
  • 査読あり
• [雑誌論文] Achievement of genetics in plant reproduction research: past decade for coming decade (2010)
  • 著者名/発表者名: Suwabe, K., Suzuki, G., and Watanabe, M
  • 雑誌名: Genes Genet. Syst 巻: 85 ページ: 297-310
  • DOI: DOI:10.1266/ggs.85.297
  • 査読あり
• [雑誌論文] Towards a comprehensive understanding of molecular mechanisms of sexual reproduction in higher plants (2008)
  • 著者名/発表者名: Watanabe, M
  • 雑誌名: Plant Cell Physiol 巻: 49 ページ: 1404-1406
  • DOI: DOI:10.1093/pcp/pcn138
  • 査読あり
• [学会発表] Laser Microdissection- Next Generation Sequence Transcriptome Analysis in the Papilla Cell of Brassica rapa (2012)
  • 著者名/発表者名: Osaka, M., Matsuda, T., Kobushiro, Y., Nagasaka, K., Takahashi, T., Nakazono, M., Suzuki, G., Lim, Y.-P., Suwabe, K., and Watanabe, M
  • 学会等名: Plant and Animal Genome XX
  • 発表場所: San Diego, CA, USA.
  • 年月日: 20120114-18
• [学会発表] Analysis of Pollen Behavior on Brassica Self-Incompatibility (2012)
  • 著者名/発表者名: Hiroi, K., Suwabe, K., Suzuki, G., and Watanabe, M
  • 学会等名: Plant and Animal Genome XX
  • 発表場所: San Diego, CA, USA
  • 年月日: 20120114-18
• [学会発表] アブラナ科植物における乳頭細胞特異的発現遺伝子群の情報基盤構築 (2012)
  • 著者名/発表者名: 大坂正明,松田智貴,藤岡智明,坂園聡美,高橋宏和,中園幹夫,岩野恵,高山誠司,Yong Pyo Lim,鈴木剛,訪部圭太,渡辺正夫
  • 学会等名: 第122回日本育種学会講演会
  • 発表場所: 京都市
  • 年月日: 2012-09-14
• [学会発表] Self- incompatibility in Brassicaceae--Molecular recognition mechanism of self and non-self and dominance relationship between alleles-- (2011)
  • 著者名/発表者名: Watanabe, M., Suwabe, K., Suzuki, G., Shimizu, K. K., and Takayama, S
  • 学会等名: Plant and Animal Genome2010
  • 発表場所: San Diego, USA
  • 年月日: 20110115-19
• [学会発表] アブラナ科植物の自家不和合性--花粉と雌ずいにおける自他識別分子機構-- (2011)
  • 著者名/発表者名: 渡辺正夫
  • 学会等名: 東京大学大学院総合文化研究科特別セミナー
  • 発表場所: 東京
  • 年月日: 2011-07-01
• [学会発表] アブラナ科植物の自家不和合性における花粉・雌ずい認識分子メカニズム (2010)
  • 著者名/発表者名: 渡辺正夫,諏訪部圭太,鈴木剛,清水健太郎,高山誠司
  • 学会等名: BMB2010
  • 発表場所: 神戸
  • 年月日: 20101207-10
• [学会発表] 自家不和合性:細胞間相互作用による生物多様性の獲得 (2010)
  • 著者名/発表者名: 渡辺正夫,諏訪部圭太,鈴木剛,清水健太郎,高山誠司
  • 学会等名: 日本遺伝学会第82回札幌大会
  • 発表場所: 札幌
  • 年月日: 20100920-22
• [学会発表] Evolution of self- compatibility in Arabidopsis by a mutation in the male specificity gene (2010)
  • 著者名/発表者名: Tsuchimatsu, T., Suwabe, K., Shimizu-Inatsugi, R, Isokawa, S., Pavlidis, P., Stadler, T., Suzuki, G., Takayama, S., Watanabe, M., and Shimizu, K. K
  • 学会等名: Evolution 2010
  • 発表場所: Oregon, USA
  • 年月日: 20100625-29
• [学会発表] Genetic characterization of self-compatible mutants inBrassica rapa (2009)
  • 著者名/発表者名: Suwabe, K., Isokawa, S., Shirasawa, A., Takada, Y., Suzuki, G., Isogai, A., Takayama, S., and Watanabe, M
  • 学会等名: Plant Biology 2009
  • 発表場所: Hawaii, USA
  • 年月日: 20090717-23
• [学会発表] 植物の生殖と自家不和合性 (2009)
  • 著者名/発表者名: 渡辺正夫
  • 学会等名: 鹿児島大学大学院・理工学研究科特別セミナー
  • 発表場所: 鹿児島
  • 年月日: 2009-05-20
• [学会発表] アブラナ科植物の多様性--自家不和合性と形態 (2009)
  • 著者名/発表者名: 渡辺正夫
  • 学会等名: 福井県立大学・生物資源学部特別セミナー
  • 発表場所: 永平寺町
  • 年月日: 2009-03-16
• [学会発表] 高等植物の自家不和合性における自他識別と生殖制御因子 (2008)
  • 著者名/発表者名: 渡辺正夫
  • 学会等名: 「階層構造の科学+現象数理学」研究会
  • 発表場所: 熱海
  • 年月日: 20081130-1201
• [学会発表] Molecular mechanism ofself/non-self recognition in Brassica self- incompatibility (2008)
  • 著者名/発表者名: Watanabe, M., Isokawa, S., Takada, Y., Suwabe, K., Isogai, A., Takayama, S., and Suzuki, G
  • 学会等名: 2008 IU-UGAS/ IU-GSA/ IU-COE Joint Symposium - The Effect of Climate Change on Biological Systems in Cold Regions -
  • 年月日: 20081027-29
• [学会発表] Genetic analysisof self-compatible mutants in Brassica rapa (2008)
  • 著者名/発表者名: Isokawa, S., Shirasawa, A., Takada, Y., Suwabe, K., Suzuki, G., Isogai, A., Takayama, S., and Watanabe, M
  • 学会等名: 19th International Conference on Arabidopsis Research
  • 発表場所: Montreal, Canada
  • 年月日: 20080723-27
• [学会発表] アブラナ科植物の自家不和合性の分子認識機構 (2008)
  • 著者名/発表者名: 渡辺正夫
  • 学会等名: 九州工業大学工学部セミナー
  • 発表場所: 飯塚
  • 年月日: 2008-10-09
• [図書] 3.5植物科学分野の文献調査法.(In農学・生命学のための学術情報リテラシー,齋藤忠夫編著) (2011)
  • 著者名/発表者名: 渡辺正夫
  • 総ページ数: 84-99
  • 出版者: 浅倉書店
• [図書] あすを拓く--inovation--渡辺正夫氏東北大学大学院生命科学研究科教授 (2011)
  • 著者名/発表者名: 渡辺正夫
  • 総ページ数: 5:16-17
  • 出版者: 宮城県発行・人材育成情報誌「O-ga-le!」
• [図書] 化学の本だな・読書のススメ (2010)
  • 著者名/発表者名: 渡辺正夫
  • 総ページ数: 65:44
  • 出版者: 化学
• [図書] "自家不和合性関連用語10項目",In"植物ゲノム科学辞典" (2009)
  • 著者名/発表者名: 渡辺正夫,高山誠司
  • 総ページ数: 56,57,150
  • 出版者: 朝倉書店
• [図書] Chapter 7 "Milestones identifying self-incompatibility genes in Brassica species: From old stories to new findings", In "Self- incompatibility in Flowering Plants - Evolution, Diversity, and Mechanisms" (2008)
  • 著者名/発表者名: Watanabe, M., Suzuki, G., and Takayama, S
  • 総ページ数: 151-172
  • 出版者: (Ed.: V. E. Franklin-Tong), Springer
• [図書] "自家不和合性",In"分子細胞生物学辞典" (2008)
  • 著者名/発表者名: 渡辺正夫,鈴木剛,高山誠司
  • 総ページ数: 399-400
  • 出版者: 東京化学同人
• [備考]
  • URL: http://www.ige.tohoku.ac.jp/prg/watanabe/
• [備考]
  • URL: http://www.ige.tohoku.ac.jp/prg/watanabe/project-startup/
• [備考] (1)渡辺正夫(2011)アブラナ科植物の自家不和合性における自他識別責任遺伝子座の同定と分子識別機構の解明(第7回(平成22年度)日本学術振興会賞)他2件(計3件) (2) 受賞
• [備考] (1)気合と根性で挑戦東北大院渡辺教授後輩にエール今治西高.愛媛新聞,2012年11月19日. (3) 新聞記事等
• [備考] (2)FMラヂオバリバリ・「すっぴん小町」ゲスト出演,FMラヂオバリバリ,2012年11月13日.(http://www.ige.tohoku.ac.jp/prg/watanabe/から視聴可能) (3)新聞記事等
  • URL: http://www.ige.tohoku.ac.jp/prg/watanabe/
• [備考] (3)道標ふるさと伝言実体験の大切さ、今の子供に教えよう.愛媛新聞,2012年1月8日. (3)新聞記事等
• [備考] (4)小松高1年生進路を考える.北國新聞,2011年10月8日. (3)新聞記事等
• [備考] (5)被災児童癒やす授業、渡辺・東北大教授(今治出身)、農学テーマ出前講座、放射線量も測定も.愛媛新聞,2011年7月3日. (3)新聞記事等
• [備考] (6)遺伝子操作で自家受粉ブロック品種改良効率に光東北大・渡辺教授ら成功.読売新聞,2010年4月19日. (3)新聞記事等
• [備考] (7)自家受粉遺伝子の働き解明東北大作物への応用期待.日経産業新聞,2010年4月19日. (3)新聞記事等
• [備考] (8)「かがくdeムチャミタス」番組、「春が来た、菜の花」の回.テレビ大阪,2009年4月4日. (3)新聞記事等
• [備考] (9)「てらスクール」で命みつめる.下野新聞,2008年8月12日.他45件(計54件) (3)新聞記事等
• [備考] (1)大阪府立天王寺高等学校「進化論を唱えたダーウィンも注目した高等植物の自家不和合性」(2012),大阪,2012/11/21 (4) アウトリーチ活動
• [備考] (2)愛媛県立今治西高等学校「今西35期、一(いち)卒業生が見た教育、研究、人生---今西在学中、卒業後、そして出前講義に伺い、考えたこと---」(2012),今治,2012/11/13 (4) アウトリーチ活動
• [備考] (3)金光学園中学高等学校・課題研究合同発表会・助言者(2012),浅口,2012/11/10 (4) アウトリーチ活動
• [備考] (4)兵庫県立豊岡高等学校「進化論を唱えたダーウィンも注目した高等植物の自家不和合性」(2012),豊岡,2012/10/06 (4) アウトリーチ活動
• [備考] (5)秋田県教育委員会高校教員研修・特別講演「高大連携:課題研究をモデルとして」「研究室見学」(2012),仙台,2012/08/01 (4) アウトリーチ活動
• [備考] (6)山形県立鶴岡南高等学校「バナナからDNAを」「自家不和合性、植物の生殖」(2012),仙台,2012/03/22 (4) アウトリーチ活動
• [備考] (7)埼玉県立浦和第一女子高等学校「高等植物における受粉反応の観察」(2011),さいたま,2011/09/8 (4) アウトリーチ活動
• [備考] (8)今治自然科学教室「博士になろう!研究をしてみよう!-東北大・渡辺教授はどのような子ども時代を過ごし、研究者になったのだろうか??-」(2011),今治,2011/03/5 (4) アウトリーチ活動
• [備考] (9)岩手県矢巾町立徳田小学校「花の不思議な世界--りんごの花からリンゴができるまで??--」(2010),矢巾,2010/12/20 (4) アウトリーチ活動
• [備考] (10)栃木県立宇都宮女子高等学校「進路を決めるために必要なことは??--東北大・生命科学・渡辺教授はどのような子ども時代を過ごし、どうやって進路を決めたのだろうか??」(2010),宇都宮,2010/10/25 (4) アウトリーチ活動
• [備考] (11)香川県立観音寺第一高等学校「博士になるとは?研究者とは?---いろいろな出会いがあり、決断があり、そして。。。---」(2010),観音寺,2010/06/9 (4) アウトリーチ活動
• [備考] (12)石川県立小松高等学校「進化論を唱えたダーウィンも注目した高等植物の自家不和合性--花粉と雌しべの細胞間コミュニケーションとその分子機構--(2009),小松,2009/12/18 (4) アウトリーチ活動
• [備考] (13)広島県立広島国泰寺高等学校「進化論を唱えたダーウィンも注目した高等植物の自家不和合性--花粉と雌しべの細胞間コミュニケーションとその分子機構--」(2009),広島,2009/10/28 (4) アウトリーチ活動
• [備考] (14)青森県立弘前高等学校「研究職になるには・・」(2009),弘前,2009/10/17 (4) アウトリーチ活動
• [備考] (15)和歌山県立日高高等学校「アブラナ科植物の多様性と自家不和合性」(2009),御坊,2009/07/14 (4) アウトリーチ活動
• [備考] (16)仙台市立七北田小学校「キャベツとブロッコリー--何が同じで何が違うの???--」(2009),仙台,2009/06/16 (4) アウトリーチ活動
• [備考] (17)鹿児島県立錦江湾高等学校「ダイコン多様性の意味・意義と生育調査・遺伝的交配実験」(2009),鹿児島,2009/05/21 (4) アウトリーチ活動
• [備考] (18)工学院大学附属中学高等学校「植物の生殖システムにおける最近のトピックス--自他識別が起きる自家不和合性反応と受精反応--」(2008),八王子,2008/12/16 (4) アウトリーチ活動
• [備考] (19)沖縄県立八重山高等学校「植物の生殖システムにおける最近のトピックス--自他識別が起きる自家不和合性反応と受精反応--」(2008),石垣,2008/11/19-21 (4) アウトリーチ活動
• [備考] (20)福島県立福島高等学校「アブラナ科植物の形態的多様性とその意義」(2008),福島,2008/05/26他370件(計390件) (4) アウトリーチ活動