ユビキタスシステムに関する研究開発は、世界規模での研究開発が推し進められている。将来的なユビキタスシステムの利用範囲の拡大に備え、ユビキタスシステムを実現するネットワークインフラであるアドホックネットワークとセンサネットワークの大規模化が必要である。そこで本研究では、アドホックネットワークとセンサネットワークを協調させた新しいアプローチであるモバイルシンクに関して、広域エリアにおける情報収集を実現するための情報収集システムの構築を目的とする。具体的には、モバイルシンクを中心としたクラスタリング技術、およびモバイルシンクのセキュリティ技術についての研究を行うことにより、センサ情報収集システムの構築方法を確立し、実用可能な段階までモバイルシンク技術を成熟させることが目標である。本年度は、モバイルシンクを中心としたクラスタリング技術およびセキュリティ技術の総合的な評価に関する研究を行った。特にモバイルシンクのクラスタリング技術に関しては、従来我々が提案していたモバイルシンク構成法を改良し、ネットワークに参加する全ノードへの公平性を高め、セキュリティの適用性を格段に向上させた。具体的には、シミュレーションのみならず実機での検討から、情報収集システムの構築において公平性のアルゴリズムを検討・導入したという研究成果を得た。
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