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2008 年度 実績報告書

神経回路の改変マウスを用いた匂いに対する情動や行動を引き起こす原理の解明

研究課題

研究課題/領域番号 20680019
研究機関東京大学

研究代表者

小早川 高  東京大学, 大学院・理学系研究科, 特任助教 (60466802)

キーワード行動神経科学 / 神経回路の改変
研究概要

背側の嗅覚神経回路を特異的に除去した神経回路の改変マウス(背側除去マウス)を用いて匂い認識能力を解析した。その結果、背側の神経回路は、我々が既に明らかにしていた、匂いに対する先天的な嫌悪反応や恐怖反応に加え、多種多様な社会コミュニケーション反応を先天的に制御していることが明らかになった。また、社会コミュニケーション反応の制御に関与することが知られていた、DHBやSBTなどの匂い分子を合成し、これらの匂い分子が嗅球の背側ドメインの特定の領域を活性化することを解明した。
個々の嗅覚神経回路が制御する特異的な情動や行動をより詳しく解明するために、部分的に嗅覚神経回路を欠損した神経回路の改変マウスを作成した。具体的には、Cre組換え酵素の存在条件下で嗅細胞特異的にジフテリア毒素を発現するノックインマウス(OMP-stop-DTAマウス)に対して、一部の嗅覚神経回路でCre組換え酵素を発現させる複数のノックインマウス(O-MACS-Creマウス(背側ゾーン特異的)、OCAM-Creマウス(腹側ゾーン特異的)、Nrp1-Creマウス(後方特異的)、Nrp2-Creマウス(腹側後方特異的))を交配させるという手法を用いた。これらのノックインマウス作成のためのコンストラクションをすべて終了し、ターゲットベクターの組み換えが正常に起こったES細胞を選別し、キメラマウスの作成の段階までを終了した。平成21年度にこれらのノックインマウスを交配することで、様々な種類の部分的に嗅覚神経回路を欠損したミュータントマウスを作製し、その神経回路形成や匂いに認識能力を、解剖学、生理学、行動学の様々な手法を用いて解明する。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2008

すべて 雑誌論文 (1件) 学会発表 (2件) 産業財産権 (1件)

  • [雑誌論文] 匂いに対する先天的な忌避行動を制御する神経回路2008

    • 著者名/発表者名
      小早川高、小早川令子
    • 雑誌名

      細胞工学 Vol.27

      ページ: 1131-1138

  • [学会発表] Possible roles of dorsal-zone olfactory neurons in regulating innate social behaviors in mice2008

    • 著者名/発表者名
      小早川令子
    • 学会等名
      第31回日本神経科学大会
    • 発表場所
      東京国際フォーラム
    • 年月日
      20080709-11
  • [学会発表] Molecular feature clusters of glomerulus in the odorant receptor class domains of the mouse olfactory bulb2008

    • 著者名/発表者名
      松本英之
    • 学会等名
      第31回日本神経科学大会
    • 発表場所
      東京国際フォーラム
    • 年月日
      20080709-11
  • [産業財産権] 体重調節作用を有する物質の検出方法および不安行動に影響を及ぼす物質の検出方法ならびにそれらに使用する動物2008

    • 発明者名
      小早川令, 子小早川高
    • 権利者名
      小早川令, 子小早川高
    • 産業財産権番号
      特許権、2008-178643
    • 出願年月日
      2008-07-09

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公開日: 2010-06-11   更新日: 2016-04-21  

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