研究課題
若手研究(A)
研究代表者らは、静水圧印加によりDNAが圧力依存的に凝縮され、除圧後の大気圧下でもその凝縮構造が維持されることを発見した。この事実は、DNAの高次構造・凝縮を圧力制御により操作しうることを示唆し、多価カチオン添加に誘起されるDNAの1次相転移による高次構造変化・凝縮とは異なる新しいタイプのDNA高次構造体の創製のコンセプトを与える。本研究では、圧力凝縮DNAという実験的にも理論的にもほとんど未開拓・未経験のDNA高次構造体が、機能性DNA創製において新しい局面を拓く「シーズ」となりうるという認識の下で、圧力に誘起されるDNA高次構造変化・凝縮に関するプロセス工学的、構造・機能科学的および機能開発的研究を包括的かつ系統的に行う。研究の実施においては、以下の3つの項目、(1)DNA高次構造・凝縮の圧力制御法の確立、(2)圧力凝縮DNAの高次構造と機能発現相関の解明、(3)圧力凝縮DNAのinvitro・in vivo遺伝子デリバリーへの応用を目標としている。各項目で得られた結果を有機的に相互リンクできる計画を立て、本研究を効率的に実施する。
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