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2010 年度 実績報告書

柔軟性を持つ中空ガラスファイバーを用いたマイクロビーム細胞照射装置の開発

研究課題

研究課題/領域番号 20681004
研究機関東京工業大学

研究代表者

長谷川 純  東京工業大学, 原子炉工学研究所, 助教 (90302984)

キーワードガラスキャピラリー / イオンビーム / PIXE分析 / モンテカルロ計算 / イオン散乱
研究概要

先端出口径が10μmのテーパーガラスキャピラリーを用いて2MeV陽子ビームの集束を行い,得られたマイクロビームを用いて2次元元素マッピングの原理実証実験を行った.分析試料としては1000mesh/inchの銅製のファインメッシュを用いた.高精度自動XYステージにより試料をビーム軸に対して垂直方向に動かすことにより,マイクロビームによる試料のスキャンを行った.発生したX線エネルギーをマルチチャンネルアナライザーにより分析し,特定の元素の2次元空間分布をPC上で再構築したものを実際の形状と比較した.その結果,ビーム径から予測される空間分解能(10μm)が実際に得られていることを確認し,ビーム径を絞ることで空間分解能をさらに上げることが十分に可能であることを示した.その一方で,キャピラリーから得られるマイクロビーム電流が現状では小さく,測定の高精度化と時間短縮のためにはビーム輸送効率のさらなる向上が必要であることが分かった.そこで,モンテカルロ計算コードの改良を行い,任意の壁面形状を持つガラスキャピラリー中での入射イオンの軌道について詳細に調べた.その結果,散乱イオンのキャピラリー壁からの脱出確率が、全体のビーム輸送効率に大きく影響することが分かった.キャピラリーの内壁形状を従来の凸形状から凹形状に変えることで,ビーム輸送効率を2倍以上改善できることを示した.本研究を通じて,キャピラリー集束マイクロイオンビームを用いた生体細胞元素マッピングに必要な基礎データを取得することできた.

  • 研究成果

    (6件)

すべて 2011 2010

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (5件)

  • [雑誌論文] Development of a Micro-PIXE System Using Tapered Glass Capillary Optics2011

    • 著者名/発表者名
      J.Hasegawa, S.Jaiyen, Y.Oguri
    • 雑誌名

      Nuclear Instruments and Methods B

      巻: (In press)

    • 査読あり
  • [学会発表] ガラスキャピラリーレンズを用いたマイクロビーム分析2011

    • 著者名/発表者名
      長谷川純, 小栗慶之
    • 学会等名
      日本原子力学会2011年春の年会
    • 発表場所
      福井大学文京キャンパス
    • 年月日
      2011-03-30
  • [学会発表] キャピラリー生成マイクロビームの品質評価とμ-PIXE分析への応用2010

    • 著者名/発表者名
      長谷川純, Sarawut Jaiyen, 福田一志, 小栗慶之
    • 学会等名
      第27回PIXEシンポジウム
    • 発表場所
      京都大学宇治キャンパス
    • 年月日
      2010-11-18
  • [学会発表] テーパーキャピラリーによるイオン集束とビーム品質の評価2010

    • 著者名/発表者名
      長谷川純, Sarawut Jaiyen, 小栗慶之
    • 学会等名
      日本物理学会2010年秋季大会
    • 発表場所
      大阪府立大学中百舌鳥キャンパス
    • 年月日
      2010-09-26
  • [学会発表] Development of a μ-PIXE System Using Tapered Glass Capillary Optics2010

    • 著者名/発表者名
      J.Hasegawa, S.Jaiyen, Y.Oguri
    • 学会等名
      10th European Conference on Accelerators in Applied Research and Technology
    • 発表場所
      Athens, Greece
    • 年月日
      2010-09-14
  • [学会発表] Monte-Carlo Simulation of Ion Beam Focusing Using Glancing-Angle Scattering2010

    • 著者名/発表者名
      J.Hasegawa, Y.Oguri, S.Jaiyen
    • 学会等名
      The 18th International Symposium on Heavy Ion Inertial Fusion
    • 発表場所
      Darmstadt, Germany
    • 年月日
      2010-08-30

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公開日: 2012-07-19  

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