研究課題
若手研究(A)
アセトアルデヒドは主要な室内環境汚染物質の1つであり、発がん性閾値なしと仮定した場合、わが国の人口の98%以上が許容できない吸入曝露を受けていると報告されている。またアセトルデヒドは飲酒により体内で発生し、アルコール性臓器障害発症に関与している。わが国のアルコール関連疾患による医療費は年間1兆円を上回ると試算されており、医学分野でも重要な課題である。このように健康影響が懸念されるにもかかわらず、アセトアルデヒドの発がんおよび非発がんの毒性発現機序は明らかでない。本課題はアセトアルデヒドのミトコンドリアを介した毒性発現機序を分子機序レベルで解明し、リスク評価の際に有用な毒性発現機序を明らかにすることを目的としている。研究計画内容は、(1)アルデヒド曝露で形成されたα-Me-γ-OH-PdGが細胞核ゲノムに比べミトコンドリアゲノムにおいて高率に検出されることを示す。(2)アセトアルデヒドによる臓器障害が、ミトコンドリアゲノム損傷に起因することを、細胞核-ミトコンドリアゲノム数比およびチトクロムc活性で示す(3)アセトアルデヒドのミトコンドリア蛋白質の付加体形成部位、とくにチトクロムcに関して付加体形成した蛋白質の1次構造を解明する(4)アセトアルデヒド-ミトコンドリア蛋白質付加体の検出を組織学的検討し、吸入曝露による影響検出の新たな指標とするの4点である。
すべて 2010 2009 2008
すべて 雑誌論文 (7件) (うち査読あり 7件) 学会発表 (2件)
Chem Biol Interact. 188巻
ページ: 367-375
Front Biosci. 2巻
ページ: 1344-1354
Toxicol Mech Methods. 19巻
ページ: 535-540
Brain Res. 1295巻
ページ: 37-43
Arch Environ Contam Toxicol 1295巻
ページ: 427-436
Pharmacogenet Genomics. 18巻
ページ: 47-52
J Toxicol Sci. 33巻
ページ: 31-36