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2010 年度 実績報告書

嫌気ベンゼン分解促進因子の生理生態学的アプローチによる解明と汚染浄化手法への展開

研究課題

研究課題/領域番号 20681008
研究機関東京大学

研究代表者

栗栖 太  東京大学, 大学院・工学系研究科, 准教授 (30312979)

キーワード土壌汚染浄化 / ベンゼン / 安定同位体プローブ法 / 同位体トレーサー法
研究概要

低コスト・低エネルギー消費型の土壌地下水汚染浄化手法として、嫌気条件下におけるベンゼン分解に関する研究を実施している。本年度は1)既往の知見でベンゼン分解を促進する可能性があると考えられる各種因子の影響を調べた。また、2)実汚染土壌・地下水の分解への適用を試みた。
1)ベンゼン分解系を促進する条件として、嫌気芳香族分解において分解の促進要因と考えうるフマル酸、クロトン酸、安息香酸、メタン生成の促進の観点から酢酸、さらに電子伝達を促進するメディエータとしてAQSおよびその還元体AQHSについて検討した。その結果、いずれの添加物においてもベンゼン分解は促進しなかったことから、ベンゼン分解はこれまで知られている安息香酸分解とは分解のメカニズムが異なる可能性が示唆された。ベンゼン分解が起こっている培養系ではHasda-A菌数の増加がみられたため、添加物存在下においてもベンゼン分解はHasda-Aによっている可能性が示された。
2)実汚染土壌・地下水の分解についての知見を得るため、2種類のベンゼン汚染地下水と1種類のベンゼン汚染土壌を用いて、ベンゼン分解試験を行った。さらに、クロロエチレン脱塩素集積系を嫌気土壌より集積し、ベンゼン分解集積系との混合を行い、クロロエチレン類脱塩素との同時分解が可能であるか検討した。その結果、ベンゼン汚染地下水にベンゼン分解集積培養系を加えることで、ベンゼンの分解が可能であることが示された。このとき、メタン生成は顕著ではなかったが硫酸イオン濃度の減少が見られたことから、ベンゼン分解が硫酸還元状態で起こった可能性が示された。また、ベンゼン分解系とクロロエチレン類分解系10:1混合で両方の同時分解を確認でき、2つの汚染物質が同時に嫌気分解可能であることが示された。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2010

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] Methanogenic benzene degradation pathways examined by stable isotope tracers2010

    • 著者名/発表者名
      Futoshi Kurisu, Hiroki Masumoto, Ikuro Kasuga, Hiroaki Furumai
    • 学会等名
      13th International Symposium on Microbial Ecology, PS.07.057
    • 発表場所
      シアトル(米国)
    • 年月日
      20100828-20100901

URL: 

公開日: 2012-07-19  

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