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2009 年度 実績報告書

遷移金属低次元ナノ構造体の磁気特性

研究課題

研究課題/領域番号 20681012
研究機関東京大学

研究代表者

白木 将  東京大学, 大学院・新領域創成科学研究科, 助教 (80342799)

キーワード表面 / ナノプローブ / ナノ構造物性 / 磁性 / X線吸収分光
研究概要

微傾斜表面に金属原子を極微量蒸着し、その蒸着量を制御することによって、金属原子のナノワイヤのサイズや形状を精度良くコントロールできる。本研究では、Au(788)微傾斜表面上にMnの1次元単原子鎖あるいは数原子列分の幅を有するナノワイヤを構築し、その磁気構造を放射光を利用したX線吸収分光ならびに磁気円二色性を用いて調べた。
Mnナノワイヤでは、低温(6K)、強磁場(1.9T)のもとで、明確なMCDシグナルが観測された。これはMnナノワイヤが、低温では磁場印加方向に磁化されていることを示す。またMCD強度の温度依存性を調べたところ、100K以下の低温領域では温度上昇によるMCD強度の減少は見られなかった。すなわち、ナノワイヤでは、MCDシグナルが観測されるもののバルクと同様の反強磁性秩序を示した。
一方、Mn単原子鎖においても、MCDシグナルが観測され、その強度はT=6K、H=1.9T条件下でナノワイヤと同程度であった。しかしながら、MCD強度の温度依存性は、Mn単原子鎖が常磁性状態にあり、反強磁性-常磁性転移温度がバルクやナノワイヤに比べて低温化していることが示唆された。またMCD強度の磁場依存性からは、Mn原子間に強磁性的相互作用が働いていることも示唆される。
以上の結果から、低次元ナノ構造体では、その大きさや形状、次元性により、ナノ構造の持つ磁性が大きく変化することが明らかとなった。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2010 2009

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] 1次元鉄ナノワイヤにおける磁気秩序とゆらぎ2009

    • 著者名/発表者名
      白木将
    • 雑誌名

      Journal of the Vacuum Society of Japan 52

      ページ: 595-600

    • 査読あり
  • [学会発表] Au(111)表面に吸着したFeフタロシアニン分子の磁性2010

    • 著者名/発表者名
      白木将、伊藤彩夏、酒井真利、太田奈緒香、能登健一、塚原規志、高木紀明、川合真紀、中村哲也、児玉謙司、木下豊彦
    • 学会等名
      第23回日本放射光学会年会
    • 発表場所
      イーグレひめじ
    • 年月日
      2010-01-09

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公開日: 2011-06-16   更新日: 2016-04-21  

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