研究概要 |
作業者の周辺視を利用した目視検査方法の優位性についてモデル実験を通して検討した。 具体的には、従来まで目視検査の主流であった中心視を用いた検査方法と本研究で提案を試みる周辺視を用いた検査方法について、検査スピードや検査精度などを評価指標とした実験をおこない、両者の特徴について検討した。 モデル実験の結果、熟練作業者に近い周辺視を用いた検査方法では、中心視を用いた検査方法と比べ、不良検出数に差はないが、少なくとも検査時間が短く、被験者間の検査時間の差も小さいことが明らかになった。しかも、このモデル実験では、熟練作業者に近い周辺視を実施できるように検査用紙に補助を加えたものを使用しており、検査は目視検査の経験の無い被験者が実施している。それにも関わらず、従来、新人作業者が実施することが困難であった周辺視目視検査が実施できることが確認できた。 以上のことから,周辺視を用いることで、短い検査時間で、検出率の高い目視検査が作業者のスキルに依存せず実施できる可能性を示唆できた。今後は、本研究の結果を実際の目視検査作業にフィードバックする方法について検討する予定である。
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