研究課題
西アフリカのサヘル(サハラ砂漠の南縁)地域では、土地の植物生産力が低下する砂漠化問題が深刻である。一方、サヘル地域の各都市においては人口が集積し、都市内部に廃棄されたゴミや屎尿が蓄積している。農村の砂漠化と都市の富栄養化が同時に進行しているという着想のもと、本研究ではサヘル地域における砂漠化防止対策として都市の生ゴミを利用する発想・技術と、都市と農村の間の物質循環サイクルを構築し、西アフリカにおける農村の砂漠化防止と食料自給の達成、都市のゴミ・衛生問題を解決することを目的としている。本年度は計画4年度目であり、最終年度であった。2008年に設営した、荒廃地における都市の生ゴミ施用に関する圃場実験は、順調に進んでいる。ゴミの投入量は1m^2あたり(1)5kg、(2)10kg、(3)20kg、そして(4)45kg、(5)無投入区(対照区)である。それぞれのプロットに生育する植物種を記録したうえで、植物バイオマスを計測し、ゴミ投入の効果を検証している。この成果については、スリランカで開催された東・東南アジア土壌学連合大会(ESAFS)をはじめとする学会・研究会で発表するとともに、ペドロジストの論文にまとめて、発表している。また、土壌養分や植物体に含まれる栄養分の分析作業も順次、遂行している。首都ニアメにて収集した都市の生ゴミの栄養分、各種金属元素の含有量の分析をおこない、ゴミ捨て場、計画公園に山積みにされたゴミ場、側溝、燃えがら、最終処分場に分けて、データを整理し、発表にむけて準備を進めている。
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Pedologist
巻: (in press)
熱帯農業研究
巻: 4(別2) ページ: 57-58
Proceedings of the 10th International Conference of the East and Southeastern Asia Federation of Soil Sciences
ページ: 189-190
http://jambo.africa.kyoto-u.ac.jp/member/oyama.html