研究課題
破綻国家の再建に国際平和活動がどのような役割を果たしてきたのか、という点について国家建設の過程での治安部門改革に焦点を当てて研究を実施した。本年度は、治安部門改革の事例研究を中心に研究を進めた。特に先行研究が不十分なアジア地域の事例(東ティモール、スリランカ、ネパール等)を検証した。本年度は、昨年度に続き、東ティモールの国防治安省の能力強化を支援する国連東ティモール統合ミッションの活動を丹念に検証したが、アフガニスタンに関しては、治安情勢の悪化のため現地調査を実施できなかった。研究成果は、国際会議「Peacebuilding and Security Sector Governance in Asia」、日本国際政治学会の部会「平和構築と治安部門改革(SSR)-安全保障と開発の相克において」、およびInternational Studies Association (ISA)の年次大会おいて報告した。国際会議の成果は報告書として取りまとめ出版した。部会報告の成果は、共同報告者とともに出版企画化し、国際書院から出版することが決定した(出版時期は次年度)。さらに、国際会議とISA年次大会の報告をもとに、治安部門改革で主導的な役割を果たしているDCAF(スイスの軍事力の民主的コントロールのためのセンター)と共同出版することが合意された(出版時期は次年度)。次年度は本研究課題の最終年度であるため、本年度はそこでの研究成果の集大成を取りまとめる準備を中心に行った。研究成果の意義は、国家建設の過程で治安部門改革を進めていくうえでの課題・重要領域として、現地主体性の育成、政軍関係の健全化、文民監視監督機能の強化の重要性を指摘したことである。
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HiPeC Research Report
ページ: 1-24
New Challenges, New Approaches : Regional Security Cooperation in East Asia
ページ: 37-57